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ミュージカル「スパマロット」 [演劇]

切れ切れに細々と続けている(笑)ロンドン旅行記も、ようやくゴールが見えてきた…ような(^_^;)今回のロンドン滞在で絶対外せない!!と思っていたののひとつがモンティ・パイソン(Monty Python)「スパマロット(Spamalot)」というミュージカル。劇場の広告にでかでかと「全部で100人を超えないキャスト!!」なんて書いてあって、期待が高まります。

モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル これは、このブログでも何度か触れているイギリスのコメディ集団モンティ・パイソンがアーサー王伝説を思いっきりパロディにして作ったコメディ映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」←を原作にしたミュージカルです。当時も音楽担当だったメンバーの一人エリック・アイドル(Eric Idle)が中心になって舞台化したので、モンティ・パイソン好きな人でもイメージを壊されることはなかったと思います。そして、モンティ・パイソンにあまり興味が無い人でも、ミュージカル好きなら思わずにやりとしてしまう名作パロディ場面も満載で、もっと改善できそうな不満な点もありましたが、単純に楽しめる作品でした。

何よりもまず作品タイトルが秀逸です。スパマロット(Spamalot)という言葉の響きから真っ先に連想するのは、モンティ・パイソンの有名なスケッチにも登場するスパム(Spam)をたっぷり(a lot)という言葉。この言葉は、「僕らがたっぷり食べるもの:ハム、ジャム、そしてスパム♪(We eat ham, jam and Spam a lot!)」という感じで実際に舞台中の歌にも登場します。更に、Spamalotと繋げて書くと、アーサー王と円卓の騎士達の城キャメロット(Camelot)に似ているじゃないですか!モンティ・パイソンといえばスパム、アーサー王といえばキャメロットという両方のイメージのバランスが絶妙な名前だと思いませんか?(^^)

モンティ・パイソンファンの私にはただでさえ興味の湧く作品だったのですが、今回は更なる楽しみな要素がありました。それは、シェイクスピア俳優として有名なサイモン・ラッセル=ビール(Simon Russell Beal)がアーサー王を演じているということ!!えーあの正統派ラッセル=ビールがコメディ!?と演劇界ではかなり話題になったのですが、私もぜひ彼のアーサーを見てみたかったのです。変に気取ったアーサー王の時代がかった大げさなセリフまわしが聞けるのがあまりに楽しみで、チケット買ってからはもう興奮しっぱなしでした。…。何と私が見に行った日は、アーサー王とその従者パッツィーはアンダースタディ(2番手キャスト)だったのです!ガーーーーン(;_;)そりゃないよ~、と席についてから思いっきりガッカリしてしまったのですが、幕が上がったら大好きなおバカギャグが次々と登場してきて、客席のノリも非常に良かったので気分を切り替えて作品自体を楽しむことができました。

元の映画でもオープニングテロップでヘラジカがどうしたとかいうフィンランド語で書かれたどうでもいい小話が登場するのですが、ミュージカルでは更に馬鹿らしさをグレードアップして、歴史学者が「イングランド」と説明したのを「フィンランド」と聴き間違えたキャストたちがフィンランドの(派手に誇張された)民族衣装を着てログハウスの前で踊り狂うというオープニング(笑)歴史学者の恫喝で気を取り直して、やっとアーサー王がパカランパカランと馬に乗って登場!すると思いきや、従者がココナッツを叩いて効果音を出しているだけ、というオチで早速観客の笑いのツボを刺激します。

そこからは円卓に参加する仲間の騎士を集めて神の命令で聖杯を探す旅にでて、迷ったり悩んだり苦しんだりしながらもそれぞれの騎士達が成長する、というストーリー展開になっています。でも、はっきり言って、そんなことはどうでも良いです(^^)例えてしまえば2時間半のコント劇のようなもの。塔に軟禁されている姫を救いに行ったらゲイの王子だったり、殺人ウサギとの血みどろの格闘があったり、従者の横で「私はなぜ独りぼっちなんだ!」と切々と訴えたり、とにかくふざけた笑いが満載の、日本で言うならドリフのミュージカル版だと思っていただければ早いです。

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シェイクスピア「オセロー」@Shakespeare's Globe [演劇]

※今夜NHK-hiで放送されます。とてもお勧めですのでぜひご覧になってください。(ハイビジョンウィークエンドシアター 21:00~翌1:00)


ロンドン滞在も残り少なくなったある快晴の日に、テムズ川沿いに建つグローブ座(Shakespeare's Globe)の昼公演に行ってきました。演目は「オセロー(Othello)」。ヴェルディのオペラでも有名な、シェイクスピア4大悲劇のひとつです。

ロンドンにあるグローブ座はシェイクスピアの活躍したヴィクトリア朝時代の劇場を復刻したものなので、1階席には屋根も椅子もありません。毎公演700枚も発売される1階席用当日立ち見券は値段も安くて(約1000円)気軽にシェイクスピア劇を楽しめるのですが、雨に降られることもあるのでその日の天気を見てから購入した方が良いでしょう。私が行った日は本当にいい天気で気温も25度程度まで上がりましたので、ポロシャツにピムス(PIMMS)という夏に飲むカットフルーツ入りのお酒を飲みながらの観劇でした。

        
        左からオセロー、デズデモナ、ビアンカ、キャシオー

オセローを通してみるのは初めてでしたが、始まって一番嬉しかったのは、そのヴィクトリア朝時代風の衣装です!女声は皆コルセットつきの豪華なドレス、男性も白シャツに黒い皮の上着に帯剣、ガウンもマントも帽子もしっかり作りこまれていて、衣装だけでも一見の価値ありでした。俳優は誰も彼も役柄に似合っていて、豪華な衣装に汗を飛び散らせながらの大熱演!見てるこっちは涼しくリラックスして楽しんでいましたが、特に女性陣とガウンを着た高官役の人たちは大変だったことでしょう(^^)。力強くて迫力のあるオセローも、イケメンで忠義にあついキャシオーも、清楚だけど芯のある美人のデズデモナもとても良かったですが、中でも印象に残ったのはイアーゴ役のティム・マッキナニー(Tim McInnerny)でした。

元々イアーゴは戯曲でも好きなキャラクターですが、この演出では野望実現のためにあれこれと悪巧みをする独白を観客に向かってユーモアたっぷりに披露してくれて、なよっちいもやし君のロデリーゴ(すっかりピエロ状態)を操る様や、凋落していくオセローをあざ笑う様などは、いやらしさと恐ろしさとひょうきんさの加減が絶妙の演技で、イアーゴが舞台前方に出てくるたびに観客の視線が引き寄せられているのが分かったほど圧倒的でした。見た目は禿げデブのおっさんなんですけどね~(^_^;)

ウィルソン・ミラム(Wilson Milam)の演出も観客巻き込み型の飽きの来ないものでした。

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ミュージカル「エビータ」@Adelphi Theatre [演劇]

Evita [2006 London Cast Recording] 今回のロンドン旅行で楽しみにしていた公演のひとつ、アンドリュー・ロイド=ウェバー(Andrew Lloyd Webber)「エビータ(Evita)」のチケットは、オフィシャルのハーフプライスチケット売り場で当日券を半額で入手しました。席は1階席前から3列目。ロンドンの劇場はこういうところが魅力的なんですよね~。ちょっと人気がなくなってくるとすぐに半額の当日券が買えるんですから、日本の劇場とは大違いです。あらすじなどは、少し前に劇団四季の舞台を見に行った時の記事を参考にしてください。

私が買ったのはマチネ(昼間)の公演で、エビータ役はNHKの芸術劇場でも特集された話題のエレーナ・ロジャー(Elena Roger)ではなくて、セカンドキャストのイヴェッテ・ロビンソン(Yvette Robinson)でしたが、他のファーストキャストは揃っていてレベルの高い公演でした。元々一番の目当ては演出だったので誰がエビータでも構わなかったのですが(^_^;)

そのロビンソンのエビータは、声は疲れ気味で大満足とはいきませんでしたが、スリムで美しい姿と演技は負けん気の強いエビータという女性をよく現していたと思います。そしてチェ役のマット・ラウル(Matt Rawle)は細身で二枚目。ラテン系のノリも楽しく観客を煽り、この演出では革命家のゲバラではなく一市民のチェという設定になっている狂言回しの役をしっかり演じきっていました。しかし、この公演で一番存在感があったのはペロン大佐役のフィリップ・クアスト(Philip Quast)でした。まず体が大きい!そして声も太くて強いんです。勿論歌は上手いし芝居も上手い。自身の野心と狡猾さに加えて妻エビータの国民的人気に対する複雑な感情まで良く伝わってきて、様々な受賞暦が物語るとおりの圧巻の役作りでした。この作品でペロン大佐をここまで意識したのは初めてです。病気で倒れたエビータを抱えあげようとする場面で失敗して、そのまま崩れてしまうアクシデントがあったのですが、その後のフォローも完璧で、もしかしたらこういう演出かと思わされたほどでした。さすがは「レ・ミゼラブル」20周年コンサートのジャヴェールなだけはありますね。そうそう、グレッグ・カスティリオーニ(Greg Castiglioni)のマガルディもラテン系アクセントと癖のある演技で楽しませてくれましたし、エビータに追い出されてしまうペロンの愛人役のローナ・ワント(Lorna Want)は、可愛いし歌も上手いし役にぴったりで気に入りました。

批評家たちに好評で期待していたマイケル・グランデージ(Michael Grandage)の演出は、なるほど工夫された面白いものでした。美しい2階建てのセットで、1階は一般市民の住む普通の住居、2階は大きな窓と装飾のついたバルコニーのある豪邸風になっていて、場面ごとに様々な使い方をして楽しませてくれました。劇団四季の公演のプログラムでロイド・ウェバーが「(四季版は)群集の扱い方の参考になる」なんて言ってましたが、そう思って見ると兵士たちのダンスシーンなどは似ていたような気がします。一番のクライマックス、「泣かないでアルゼンチーナ(Don't Cry for Me, Argentina)」の場面でエビータの居るバルコニーが舞台前方にせり出す(といっても舞台後方から中程まで)のもハイテク舞台の四季版の影響を受けていたように思います。

実際に英語版を見て一番感心したのは、英語の歌詞が本当によく練られていることでした。

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NHKの劇場中継2本 [演劇]

先々週でスポーツイベントに一段落ついたので、溜まっている演劇の録画でも見ようかな~と言っていた通りに、最近NHKで放送された演劇2作を一気に見ました。

ジャン・アヌイの「ひばり」(蜷川幸雄演出)とグループる・ばるの「八百屋のお告げ」(鈴木裕美演出)の全くジャンルの違う2作。どちらも別の意味で楽しく見られました。

「ひばり」は先月公演が終わったばかりの、松たか子主演で話題になったものです。田舎在住者にとっては行きたいけど行けない演目だったので、こんなに早くテレビ放送してくれるとは嬉しい誤算!個人的に注目していたのはシャルル役の山崎一(NOV○の鈴木さん^^)と異端審問官の壤晴彦、ウォーリック伯の橋本さとしの3人で、実際見てみたらそれぞれ個性の光る演技で芝居を盛り上げてくれていました。特にビロードの長衣に薔薇を持って登場するウォーリック伯のキャラ設定は長身二枚目の橋本さとしにぴったりで爆笑!(^^)ただ、この作品はやはり主人公ジャンヌ・ダルクありきの話。基本的に松たか子の演技はあまり好みじゃないのですが、今回は自然体で自分の信じる道を太く短く生きる「人間」としての存在感が強く感じられて好感がもてました。

ジャンヌの異端裁判を通じて人間賛歌の鳴り響く戯曲の展開はかなり見応えは有りますが、これを正統的に演出されても寝てしまうかもしれません。かなりくだけた現代語訳になってはいましたが、劇中劇でジャンヌの生涯を演じるという設定なので、キリスト教とカトリック教会組織の基本知識に加えて当時の歴史的背景も知っていないと場面転換も少なくて説明ばかりの苦痛の3時間だと思います。最後、火刑台で終わると見せかけて戴冠式の場面に逆行させる無理矢理さに驚きましたが、戴冠される王の隣で一番輝いているジャンヌを見せることで人間の崇高さを示したかったのかな~なんて思ったりしました。

次に見たのは大親友おばさん3人組のオモシロ話。タイトルからして可笑しい鈴木聡脚本の「八百屋のお告げ」は、笑った笑った!ある日いきなり余命1日と八百屋に告げられてしまったおばさんが、彼女の親友2人と、偶然訪問した布団圧縮袋のこんにちは、母さん セールスマンと、八百屋に同じ予告をされたトラック運ちゃんと、おばさんたちの大学時代の憧れの人の息子と入り混じって繰り広げる笑いたっぷりのお芝居ですが、時々考えさせられるせりふもあり、「人間って捨てたもんじゃない」とじんわりと思わせてくれる佳作でした(今度ドラマ化される永井愛「こんにちは、母さん」とどことなく雰囲気が似ています)。

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演劇「コリオレイナス」 [演劇]

この週末は久しぶりにシェイクスピア劇を見てきました。演目は「コリオレイナス(Coriolanus)」。シェイクスピアの作品の中でも日本での上演機会は極めて少ない作品です。ラブストーリーでもないし、有名な長台詞もないし、ローマの政治体制と当時のイタリア半島の状況などを多少知識として押さえておかないとわけが分からないからでしょうか。今回のように蜷川幸雄の演出ならそんな細かいことは知らなくても一人の高慢な武将の話として十分楽しめますけどね(笑)

あらすじは、彩の国シェイクスピア・シリーズのホームページへどうぞ。ちょっとそっけない気もしますが分かりやすくまとまってますし、キャスト情報も載ってます。

今回の演出、まず幕があいて圧巻なのは、客席全体を映す舞台一面の鏡。蜷川は「リチャード3世」でも大衆をあおる場面で鏡をうまく使ってましたが、自分も含めた大衆がいきなり目の前に表れるインパクトはかなりのものがあります。そして舞台いっぱいの大階段もさすがは蜷川、期待を裏切りません(笑)プログラムによると、蜷川のギリシャの印象(石段が多い)と日本の神社仏閣の石段のイメージを合わせたものだそうですが、ここを俳優たちが上下左右に駆け回って面白かったです。特に、群集が弱気になったり元老院に押されているときは下の方に群れているのに、強気になったり暴徒と化して貴族階級に反抗するときは上に駆け上がったりするのは視覚的にもそれぞれの立場の変化が見えて感心しました。やっぱりこういう「分かりやすさ」が蜷川演出の一番の魅力ですね。

演出の基本コンセプトは、最近の蜷川シェイクスピアに共通する「アジアのシェイクスピア」。今回はその中でも仏教(四天王、坊主頭、菩薩)のイメージが強くて、最初は登場人物たちが「神々よ!」なんて叫ぶたびに違和感を感じていましたが、コリオレイナスが一騎打ちに敗れて絶命し、勇者として担がれて退場するときに流れる「般若心経」に、全てこの世は「空」である、ということが言いたかったのかな、と納得しました。それでもやはり神道の方があってると思うんですけどね。

相変わらず美しいカットと抜群の色彩センスが光る小峰リリーの衣装は、オペラグラスでじっくりと細部まで観察してしまいました。今回はシンプルなシャツやドレスの上に日本、中国、チベット、ミャンマーといった仏教の伝わったルート上の民族衣装を混ぜ合わせたような衣装でしたが、ローマと争うヴォルサイの貴族たちがハツカネズミに見えてしまったのには思わず笑ってしまいました。平民にはウールのコートを着せて、貴族や元老院議員たちはスターウォーズに出てきそうな姿、というのも階級の違いが分かりやすくてよかったです。舞台セットは中央の石段を中心に水墨画や蒔絵の漆器のイメージが強かったですね。基本的には贅沢なセットで階段の上下をうまく使っていたのであれこれ深読みできて楽しかったですが、ヴォラムニアが登場すると背景に菩薩が現れるのはちょっと違うかも?と思ったり。この強い母はコリオレイナスにとって、本当は重荷だったんじゃないのかな~。

NINAGAWA×SHAKESPEARE 3 俳優の中ではメニーニアス・アグリッパ役(コリオレイナスの親友)の吉田鋼太郎が印象に残りました。去年イギリスで見た蜷川演出「タイタス・アンドロニカス」のタイトル・ロールでも名演を見せてくれました(DVDになってます←)が、今回も斬新な解釈で生き生きと役を演じていたと思います。ぽろっとこぼれる本音のつぶやきや、短気なコリオレイナスへの助言や、コリオレイナスに「2人の友情は終わった」と突っぱねられたときの憔悴度など、こだわりを感じる部分がいっぱいです。あの良く響いて聞き取りやすい声も素敵ですね♪

主人公ケイアス・マーシアス・コリオレイナスは唐沢寿明でしたが、イケメンで実力もあるのに強情で高慢すぎる軍人によくはまっていました。

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ミュージカル「エビータ」 [演劇]

エビータ 1996年にマドンナが主演で映画化されて話題になったアンドリュー・ロイド=ウェバー(Andrew Lloyd Webber)「エビータ(Evita)」新名古屋ミュージカル劇場へ見に行ってきました。当然、劇団四季の公演です。去年ロンドンで見逃した新演出の評判が良くて悔しい思いをしたので、演出は違うし日本語だけどリベンジ!(笑)左の写真は映画のDVD(現在品切れ)の表紙です。

「エビータ」は1919年に私生児としてアルゼンチンの田舎町に生まれながら大統領夫人にまで「成り上がった」エバ・デュアルテの生涯を描いたミュージカルで、アルゼンチンでは貧しい民衆の味方として未だに聖人視されているエビータを野心にあふれた計算高い女として描いて話題を呼んだ作品です。詳しいストーリーは舞台写真も見られるこちらへどうぞ。

今回はハイテク制御の回る舞台が売り物の新演出という評判でしたが、なるほど、確かに舞台装置はお金かかってます。衣装もしっかり作りこまれていて、細かいところまで見ごたえがありました。傾斜のついた回り舞台だけでなく、舞台前方がせり上がったり、中央がせり上がって下からドアが現れたり、面白いアイディアも多かったしコンピュータ制御のスムーズな舞台変換は緊張感が途切れなくて良かったと思います。ただ、全体の印象としては70点くらいでしょうか。ちょっと「マンマ・ミーア」を髣髴とさせる白い半円形の壁も、回り舞台にそって設置されたネオンの円も、効果的なところと邪魔なところと半々くらいという印象です。

それから、テープだから仕方ないかもしれませんが、メリハリのない演奏で「タメ」が感じられなかったのも残念です。どの場面も同じテンションで流れていってしまうので、ダラダラ~っと重要な台詞がおざなりになってしまってもったいない!決め台詞の決まらない芝居ほどつまらないものはないですからね(^_^;)

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ミュージカル「タイタニック」 [演劇]

東京国際フォーラムで上演中のミュージカル「タイタニック(Titanic: The Musical)」を見てきました。「タイタニック」と言っても、あのジャックとローズの出てくるハリウッド映画とは関係ありません(^_^;)豪華客船タイタニック号の処女航海に乗り合わせた様々な境遇の人々の人生模様と、沈没すると分かってからのそれぞれの対応や行動を次々に見せる、という作品です。

登場人物も多く(名前のある役だけで40人以上)、それぞれに見せ場があるために俳優を集めるのがとっても大変そうな作品です。その規模の大きさから舞台化は不可能に近いと言われていたそうですが、例の映画が公開された1997年にブロードウェイで上演、その年のトニー賞を受賞しています。

去年国際フォーラムで上演されたミュージカル「グランド・ホテル(Grand Hotel)」の作詞・作曲家でもあるモーリー・イェストン(Maury Yeston)の作品ということで、日本語訳が聞き取りにくい所でも曲だけで楽しめました。聞き取れないと日本語でやる意味が無いので本当はもっと頑張って欲しいんですけどね…(^_^;)イェストンの作品はロンドンで「グランド・ホテル」を見たことがありますが、ちょっと物悲しい感じのメロディラインはやはり独特の雰囲気があります。「タイタニック」の曲はどこかヴォーン=ウィリアムスっぽいな~なんて思ってたら、やっぱり19世紀後半~20世紀初頭に活躍したイギリスの作曲家達を参考にしたそうです。一番印象的な曲は、否が応でも盛り上がる「ゴッドスピード・タイタニック(Godspeed Titanic)」でしょうか。最後にリプライズされるし、キャスト全員で歌われて迫力もあるので耳に残ります。でも、上演中は「グッドシップ・タイタニック」って言ってるんだと思ってました…駄目じゃん!

俳優の中で印象的だったのはハロルド・ブライド二等通信士役の鈴木綜馬とボイラー係フレデリック・バレット役の岡幸二郎。鈴木綜馬は実年齢よりもかなり若い役でしたが、内気な通信士を好演。ソロだけでなく合唱部分でも良い声でしっかりと聞かせてくれました。岡幸二郎は見栄えのする長身で、自分のソロも一番見せ場の感動的なソロも無難に決めて「かっこいい兄ちゃん」でした。他は、松岡充の演じる船の設計士トーマス・アンドリュース、大澄賢也の演じるタイタニック所有会社社長J・ブルース・イズメイ、光枝明彦諏訪マリーの演じる有名デパート社長で一等乗客のストラウス夫婦、森口博子の演じる有名人と知り合いになろうと夫そっちのけでかしましい二等乗客アリス・ビーン、紫吹淳の演じるアメリカでの新生活に期待を寄せる三等乗客ケイト・マクガワン、宝田明の威厳があって重厚なE・J・スミス船長辺りがおいしい役所でしょうか。他の登場人物たちもそれぞれ印象的なセリフがあって、沈没すると分かってからのそれぞれの選択についつい感情移入してしまいました。

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音楽劇「詩人の恋」 [演劇]

今回は「詩人の恋」といっても、シューマンの歌曲集そのものではなく、12月10日にNHK教育で放送された加藤健一事務所の公演の方です。音楽劇「詩人の恋」は初演時に多数の演劇賞を受賞した作品で、今回3年ぶりに待望の再演となったものを収録したようです。評判に違わず面白い芝居で、2時間があっという間に過ぎていきました。

あらすじ:1986年のウィーン。既に落ち目の声楽教師ヨゼフ・マシュカン教授の元に、元神童ピアニストのアメリカ人スティーブン・ホフマンがやって来る。彼はソロ・ピアニストとしてスランプに陥っているため歌曲のピアノ伴奏者へ転向しようとしているが、師事しようと考えている教授からピアノではなく歌を指導するマシュカン教授を紹介されたのだ。ピアニストが歌う必要はない、とレッスンに身の入らないスティーブンだが、しぶしぶシューマンの「詩人の恋」を課題にマシュカン教授のレッスンを受けることにする。レッスンが進むにつれて、直情型でやる気の無い生徒とちょっとお間抜けでマイペースな教授の間には奇妙な信頼関係が築かれていくが…。

最初にシューマンの「詩人の恋」ではないと書きましたが、勿論この歌曲集が音楽劇の中で非常に重要な役割を果たします。全曲ではありませんが、レッスンで俳優達も実際に歌います(マシュカン教授役の加藤健一はこの役のために初演以来3年間声楽レッスンを続けていたそうです)。ドイツ語の発音はプロの歌手と比べてはいけませんが、きちんと歌いながらレッスンをしている場面は説得力があって緊張感も途切れません。ストーリーと歌詞との関係も考え抜かれていて、とにかく「詩人の恋」の歌詞がこんなに深~い内容に感じられたのは初めてでした(^_^;)。

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ミュージカル「オペラ座の怪人」 [演劇]

私の好きなミュージカルベスト3に入るアンドリュー・ロイド=ウェーバー(Andrew Lloyd Webber)「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)」へ行ってきました。前回はまだ留学中のロンドンでしたが、今回は4年ぶりの劇団四季の公演です。(東京近郊在住の方なら「オペラ座の怪人は凄いらしい。」のキャッチコピーを目にしたことがおありでしょう)ミュージカルの舞台とはちょっと違いますが映画化もされた有名作品なので、あらすじはカット…というか、せっかく作ってくれているので劇団四季の公演ページへどうぞ。CM映像(要Real Player)や舞台写真が見れます。こちらのマリア・ビョルンソン(Maria Bjornson)のデカダンな美術の方がギラギラの映画の美術よりも断然好きです。更に言うなら、劇中オペラのバレエの振付も舞台のジリアン・リン(Gillian Lynne)の方が好みです。

今回4年ぶりに(とはいえロンドンでも1年に2回は見てましたが^_^;)見に行った理由は、ずばり新しいファントム役の佐野正幸さん。「オペラ座の怪人」の日本初演(18年前)からアンサンブルやラウル役として関わってきた俳優さんが満を持しての主役ということで、否が応でも期待が高まりました。そして、その期待は裏切られるどころか、予想以上に完成度の高い演技でとても感動しました。

とにかく、この6年くらい劇団四季のファントム役は「声はいいけど落ち着いたお父さん」というタイプの俳優さんばかりだったのですが、佐野さんは「スタイルが良くて危険で色っぽいナルシスト」という私のイメージするファントム像に非常に近いタイプの演技を見せてくれたのです。原作の小説でも、ファントムは「お父さん」というよりは「アブない魅力のある大人」で自分の子供のような年齢のラウルにライバル意識バリバリなので、佐野さんのちょっと苦笑したくなるくらいキメキメのポーズやしぐさが嬉しくて嬉しくて…

「ああ~この指先まで神経の通った手の動きが見たかったんだよね~~!(^_^*)」※舞台で見た人なら分かっていただけるかと…

なんて、作品オタクの視点でめいっぱい楽しんでしまいました。

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ミュージカル「メアリー・ポピンズ」 [演劇]

今回ロンドンにいる間に必ず見ておきたかったミュージカルのひとつ、「メアリー・ポピンズ(Mary Poppins)」。ディズニーの製作で、曲もあの有名な映画の曲に新曲を足したものですが、ストーリー自体は意外にも映画と原作両方の要素をアレンジしたものになっていました(キャメロン・マッキントッシュとの合同製作なので当然でしょうけど…)。ちなみに演出家は、ロイヤル・オペラの「椿姫」(ゲオルギュー主演、ショルティ指揮)の演出もしているリチャード・エア(Richard Eyre)です。

あらすじ:ロンドンのシティで勤めている銀行家ジョージ・バンクス氏の家にやってきた凄腕ナニー(ベビー・シッター)のメアリー・ポピンズとバンクス家の人々との日常を書いた話。父親が破り捨ててしまったはずの子供達による家政婦募集広告を持ってバンクス家に突如現れたメアリー・ポピンズは、我が儘な子供達ジェーンマイケルを見事にしつけるだけでなく、父と母、子供達、使用人のぎくしゃくした関係を不思議な力で改善していく。

メリーポピンズ スペシャル・エディション いまやクラシックとなっているあの映画をなぞっただけかと思いきや、一緒なのは基本的なストーリー構成と、ポピンズが子供部屋で荷解きをする場面と煙突掃除夫のダンス場面があることくらいでしょうか。ミュージカルは、原作から選択されたストーリーのアレンジの仕方がより「イギリス的」になっていると思いました。使用人のロバートソン・アイも登場しますし、バンクス氏のナニーだったミス・アンドリュースも出てきますが、一番驚いたのはバンクス夫人の設定で、映画では女性参政権獲得運動なんかして結構きゃぴきゃぴしてますが、ミュージカルでは上流社会になじめず友人も出来ず、仕事一筋の夫に軽視されているように感じて悩む女性です。確かに、この方がいかにもイギリス上流の女性らしいし、原作の設定に近い。それから、話の展開も映画と少し違います。以下かなりのネタバレなので反転してください。バンクス氏が、銀行に不利益な資金援助を契約した責任をとって謹慎していた所を銀行に呼び出され、クビになるかと思いきや、実はその投資は謹慎中に銀行に利益をもたらしていたのでバンクス氏は昇進、家族サービス優先の条件で給料も増えてめでたしめでたし、となるのです。これにはビックリ。

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