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ミュージカル「エビータ」@Adelphi Theatre [演劇]

Evita [2006 London Cast Recording] 今回のロンドン旅行で楽しみにしていた公演のひとつ、アンドリュー・ロイド=ウェバー(Andrew Lloyd Webber)「エビータ(Evita)」のチケットは、オフィシャルのハーフプライスチケット売り場で当日券を半額で入手しました。席は1階席前から3列目。ロンドンの劇場はこういうところが魅力的なんですよね~。ちょっと人気がなくなってくるとすぐに半額の当日券が買えるんですから、日本の劇場とは大違いです。あらすじなどは、少し前に劇団四季の舞台を見に行った時の記事を参考にしてください。

私が買ったのはマチネ(昼間)の公演で、エビータ役はNHKの芸術劇場でも特集された話題のエレーナ・ロジャー(Elena Roger)ではなくて、セカンドキャストのイヴェッテ・ロビンソン(Yvette Robinson)でしたが、他のファーストキャストは揃っていてレベルの高い公演でした。元々一番の目当ては演出だったので誰がエビータでも構わなかったのですが(^_^;)

そのロビンソンのエビータは、声は疲れ気味で大満足とはいきませんでしたが、スリムで美しい姿と演技は負けん気の強いエビータという女性をよく現していたと思います。そしてチェ役のマット・ラウル(Matt Rawle)は細身で二枚目。ラテン系のノリも楽しく観客を煽り、この演出では革命家のゲバラではなく一市民のチェという設定になっている狂言回しの役をしっかり演じきっていました。しかし、この公演で一番存在感があったのはペロン大佐役のフィリップ・クアスト(Philip Quast)でした。まず体が大きい!そして声も太くて強いんです。勿論歌は上手いし芝居も上手い。自身の野心と狡猾さに加えて妻エビータの国民的人気に対する複雑な感情まで良く伝わってきて、様々な受賞暦が物語るとおりの圧巻の役作りでした。この作品でペロン大佐をここまで意識したのは初めてです。病気で倒れたエビータを抱えあげようとする場面で失敗して、そのまま崩れてしまうアクシデントがあったのですが、その後のフォローも完璧で、もしかしたらこういう演出かと思わされたほどでした。さすがは「レ・ミゼラブル」20周年コンサートのジャヴェールなだけはありますね。そうそう、グレッグ・カスティリオーニ(Greg Castiglioni)のマガルディもラテン系アクセントと癖のある演技で楽しませてくれましたし、エビータに追い出されてしまうペロンの愛人役のローナ・ワント(Lorna Want)は、可愛いし歌も上手いし役にぴったりで気に入りました。

批評家たちに好評で期待していたマイケル・グランデージ(Michael Grandage)の演出は、なるほど工夫された面白いものでした。美しい2階建てのセットで、1階は一般市民の住む普通の住居、2階は大きな窓と装飾のついたバルコニーのある豪邸風になっていて、場面ごとに様々な使い方をして楽しませてくれました。劇団四季の公演のプログラムでロイド・ウェバーが「(四季版は)群集の扱い方の参考になる」なんて言ってましたが、そう思って見ると兵士たちのダンスシーンなどは似ていたような気がします。一番のクライマックス、「泣かないでアルゼンチーナ(Don't Cry for Me, Argentina)」の場面でエビータの居るバルコニーが舞台前方にせり出す(といっても舞台後方から中程まで)のもハイテク舞台の四季版の影響を受けていたように思います。

実際に英語版を見て一番感心したのは、英語の歌詞が本当によく練られていることでした。日本語にしても違和感の少ないものもありますが、このミュージカルは特に英語の利点を120パーセント引き出していると思います。あと、エヴィータへの祈りがスペイン語なのも雰囲気が出ていいですね。日本でもスペイン語でやればいいのに。祈りの言葉なんて容易に想像できますから、わざわざ日本語で何度も繰り返す必要はないです。

今回は半額のチケットだったというお得感もあって、かなり満足のいく公演でした。熱狂的なカーテンコールでは、どうやらラウルのファンらしき女の子たちがキャーキャー叫んでいたのですが、それに答えて(?)舞台上のクアストまで「キャー」とか言い出してびっくりしました(笑)どうやらいかつい見た目とは違ってお茶目なおじさんのようです。


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コメント 5

Orfeo

うわあ!懐かしい!80年代にウェストエンドで見ましたよ。
リヴァイバル上演、私も見たいです。。。
by Orfeo (2007-06-03 08:13) 

keyaki

アントニオ・バンデラスの映画でしか見たことがないんですが、とんちんかんな質問かもしれませんが、「オペラ座の怪人」の演出は、決められたものしかアンドリュー・ロイド=ウェバーが認めてないってきいたことがあるんですけど、この「エビータ」は、自由な演出が認められているということなのかしら。
by keyaki (2007-06-03 11:48) 

Sardanapalus

Orfeoさん>
>80年代にウェストエンドで
おそらく初演か再演でしょうね。今回はロンドンでは久しぶりの公演で、アルゼンチン出身の女優がエビータを演じていて話題です。演出も非常に整っていて流行にそっている感じです。次回ロンドンに行くときまでロングランが続いているといいですね!

keyakiさん>
>この「エビータ」は、自由な演出が認められているということなのかしら
良くご存知ですね!そう、「オペラ座の怪人」は演出、舞台美術・衣装が固定されているんですが、「エビータ」を作った当時のロイド=ウェバー達にはそこまで指示できる権威がなかったんですよ(^^)ということで、あの映画も含めて色々なバージョンの「エビータ」があります。といっても、頻繁に上演しているのはイギリス、アメリカ、日本くらいなものですが。
by Sardanapalus (2007-06-03 12:35) 

stmargarets

Lorna Wantよかったでしょ?
ちなみに残念ながらEvitaはもう終わってしまいましたよ。
次はジョゼフみたいです。
by stmargarets (2007-06-04 07:15) 

Sardanapalus

stmargaretsさん>
>Lorna Wantよかったでしょ?
はい(^^)彼女はミストレスとしての説得力がありました。声も可愛いですね。これからコゼットとかやらないかな~?

>次はジョゼフ
ああ、そういえば次はテレビ番組で主役オーディションやってる「ジョセフと不思議なテクニカラーのドリームコート」(長い!)でしたね。すっかり忘れてました。こちらも「サウンド・オブ・ミュージック」みたいに成功するといいですねぇ。
by Sardanapalus (2007-06-05 22:06) 

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