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ミュージカル「エビータ」 [演劇]

エビータ 1996年にマドンナが主演で映画化されて話題になったアンドリュー・ロイド=ウェバー(Andrew Lloyd Webber)「エビータ(Evita)」新名古屋ミュージカル劇場へ見に行ってきました。当然、劇団四季の公演です。去年ロンドンで見逃した新演出の評判が良くて悔しい思いをしたので、演出は違うし日本語だけどリベンジ!(笑)左の写真は映画のDVD(現在品切れ)の表紙です。

「エビータ」は1919年に私生児としてアルゼンチンの田舎町に生まれながら大統領夫人にまで「成り上がった」エバ・デュアルテの生涯を描いたミュージカルで、アルゼンチンでは貧しい民衆の味方として未だに聖人視されているエビータを野心にあふれた計算高い女として描いて話題を呼んだ作品です。詳しいストーリーは舞台写真も見られるこちらへどうぞ。

今回はハイテク制御の回る舞台が売り物の新演出という評判でしたが、なるほど、確かに舞台装置はお金かかってます。衣装もしっかり作りこまれていて、細かいところまで見ごたえがありました。傾斜のついた回り舞台だけでなく、舞台前方がせり上がったり、中央がせり上がって下からドアが現れたり、面白いアイディアも多かったしコンピュータ制御のスムーズな舞台変換は緊張感が途切れなくて良かったと思います。ただ、全体の印象としては70点くらいでしょうか。ちょっと「マンマ・ミーア」を髣髴とさせる白い半円形の壁も、回り舞台にそって設置されたネオンの円も、効果的なところと邪魔なところと半々くらいという印象です。

それから、テープだから仕方ないかもしれませんが、メリハリのない演奏で「タメ」が感じられなかったのも残念です。どの場面も同じテンションで流れていってしまうので、ダラダラ~っと重要な台詞がおざなりになってしまってもったいない!決め台詞の決まらない芝居ほどつまらないものはないですからね(^_^;)例えば、理想と現実の間で揺れるエビータと狂言回しのチェとの口論も盛り上がりが足りないし、そこが盛り上がらないから病に倒れてからの場面の印象も薄れがちです。更に最後の場面は演出としても狙いすぎで、初心者には何が起こったのかよく分からなかったんじゃないでしょうか。全体としてきれいにまとめることを考えすぎて、貧困層の力強さが感じられないのも物足りません。(また日本人俳優の「階級の演じ分け不可能性」の話ですね…)

それから、ダンスの振付けにバリエーションが少なくていつも同じルーティンをしているように見えてしまうのも興醒めでした。かっこいい瞬間はいっぱいあるんですが、ダンスはただきびきび動いて飛んでれば良いってもんでもないと思います。それとこの日本語訳は…英語の内容の要約になるのは仕方ないですが、「エビータ」はまた削りまくっているので話の展開が分かってないと置いていかれそうでした。

俳優では、チェ・ゲバラ役の芝清道が役を手中にしている余裕の演技と歌唱を見せてくれました。この役は彼の声や雰囲気とよく合っていますね。それから、エビータ役の井上智恵も、野心満々で意志の強い女をしっかり演じていたと思います。後はまるで谷村新司のようなマガルディ役の渋谷智也は勘違い伊達男を無難に演じていましたが、ペロン大統領役の下村尊則はキャラクターが合ってないし、ミストレスの西田ゆりあの感情が感じられないソロは早送りしたくなってしまいました。

全体に、とてもいい!と思う部分と退屈に感じる部分が半分ずつ、といった感じの公演でした。まあ、「エビータ」という作品自体があまり完成度の高いものとは言えないのですが、それにしてももう少し改善できるはずだと思います。久しぶりに行った新名古屋ミュージカル劇場は、相変わらず見やすくて好感の持てる劇場でした。


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コメント 8

YUKI

「エビータ」ってミュージカルがあったのですねぇ?!(^^;)
映画では確かマドンナがヒロインをやっていた記憶があったのですが、まだ鑑賞していません。
また機会があれば観てみたいと思っています。(^_^)
by YUKI (2007-02-26 10:29) 

Sardanapalus

YUKIさん>
>「エビータ」ってミュージカル
もともと舞台のミュージカルがあって、それを元に映画化されたときにマドンナがエビータをやったのです。映画版ではアントニオ・バンデラスがチェ・ゲバラ役でした。かなり上手に作られているミュージカル映画だと思いますので、機会があったらぜひ見てみてください。
by Sardanapalus (2007-02-27 00:10) 

ロンドンの椿姫

名古屋公演ってテーフのことが多いですか?
私が中日劇場で宝塚を見たときもそうでした。
名古屋特有の合理精神の表れでしょうか?

Evitaは今またロンドンで始まり、主役の評判はとても良いようです。
って、私ま前のも観たことないですけどね。
たまにはミュージカルにも行こうとは思っているのですが、毎日やってるしいつでも行けると思うと行かないことの典型ですね。
by ロンドンの椿姫 (2007-02-27 23:57) 

Sardanapalus

ロンドンの椿姫さん>
>名古屋公演
「ミュージカル」公演の大部分はテープでしょう。東宝はオーケストラ持ってきますけど、劇団四季は絶対テープです。日本の地方公演を生オケでやるとお金がかかりすぎるんですって。

>Evitaは今またロンドンで始まり、主役の評判はとても良い
そうなんですよね~。あー羨ましい!やっぱり英語のミュージカルは英語での公演が見たいなぁ。

>たまにはミュージカルにも
いつもやってるから、といわず、ぜひ行って下さいよ~。「スパマロット」でシェイクスピア俳優(Simon Russel-Beale)がおバカなアーサー王を演じてるのを見に行くもよし、「マンマ・ミーア」で中年女性の強さを楽しむもよし、「レ・ミゼラブル」や「オペラ座の怪人」といったそれこそいつでもやってる演目もよし(^^)
by Sardanapalus (2007-02-28 00:41) 

stmargarets

そういえばこの前Spamalot行った次の日にEvita観てきたよ。

確かに演出はよく出来ていた!
でも主演の人は私の好みではなかった!(なのであまり感動しなかった)

でも、フィリップ・クワスト(大統領)とスーツケースの歌(日本語のタイトル分からない)を歌った子はとても良かった!(Sardanapalusさんがまだロンドンに居た頃にやっていたロミオ&ジュリエットっていうあまりいけてないミュージカルでジュリエットやってたすごく声のいい女の子なんだけど、分かるかな?)
それにチェ役の人も中々だったよ。

という訳でアンダー・スタディの子も結構評判いいみたいだから、次にSardanapalusさんがロンドンに来る時に主演が変わってたとしても、英語でリベンジしなおしてみて大丈夫だと思うよー。
by stmargarets (2007-03-01 23:34) 

Sardanapalus

stmargaretsさん>
>確かに演出はよく出来ていた!
おお!やはりロンドンのを見なくては(笑)

>フィリップ・クワスト(大統領)とスーツケースの歌(日本語のタイトル分からない)を歌った子
ペロン役はとても難しいので、ジャベールとか歌ってるクワストは期待できそうですね。スーツケースの歌は、「スーツケースを抱いて」という日本語タイトルで、歌うのはミストレスです。日本では軍人の愛人としてしぶとく生きているとはとても思えないお嬢様でミスマッチでしたから、見たことないですけどこちらも期待してしまいます。って、まるで見に行くことが決定しているかのような発言ですが(^^)できる限りロングランしてもらいましょう。
by Sardanapalus (2007-03-02 00:41) 

stmargarets

あ、そのミストレスはイギリスでもかわいらしい女の子な感じで、したたかなエビータに追い出されてかわいそう・・・。って感じでしたよ。
5月までは絶対やってると思うから、早くおいで~(笑)
by stmargarets (2007-03-04 11:12) 

Sardanapalus

stmargaretsさん>
>ミストレスはイギリスでもかわいらしい女の子
ええ、まあ、かわいいのは構わないというか大歓迎なんですが、日本のミストレスは、かもし出される雰囲気がどう見ても箱入り娘のお嬢様って感じなのですよ(^_^;)こんなとこにいるわけないでしょ、っていう。

>5月までは絶対やってる
そうですか、真剣に考えてみます!
by Sardanapalus (2007-03-04 23:46) 

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