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ミュージカル「タイタニック」 [演劇]

東京国際フォーラムで上演中のミュージカル「タイタニック(Titanic: The Musical)」を見てきました。「タイタニック」と言っても、あのジャックとローズの出てくるハリウッド映画とは関係ありません(^_^;)豪華客船タイタニック号の処女航海に乗り合わせた様々な境遇の人々の人生模様と、沈没すると分かってからのそれぞれの対応や行動を次々に見せる、という作品です。

登場人物も多く(名前のある役だけで40人以上)、それぞれに見せ場があるために俳優を集めるのがとっても大変そうな作品です。その規模の大きさから舞台化は不可能に近いと言われていたそうですが、例の映画が公開された1997年にブロードウェイで上演、その年のトニー賞を受賞しています。

去年国際フォーラムで上演されたミュージカル「グランド・ホテル(Grand Hotel)」の作詞・作曲家でもあるモーリー・イェストン(Maury Yeston)の作品ということで、日本語訳が聞き取りにくい所でも曲だけで楽しめました。聞き取れないと日本語でやる意味が無いので本当はもっと頑張って欲しいんですけどね…(^_^;)イェストンの作品はロンドンで「グランド・ホテル」を見たことがありますが、ちょっと物悲しい感じのメロディラインはやはり独特の雰囲気があります。「タイタニック」の曲はどこかヴォーン=ウィリアムスっぽいな~なんて思ってたら、やっぱり19世紀後半~20世紀初頭に活躍したイギリスの作曲家達を参考にしたそうです。一番印象的な曲は、否が応でも盛り上がる「ゴッドスピード・タイタニック(Godspeed Titanic)」でしょうか。最後にリプライズされるし、キャスト全員で歌われて迫力もあるので耳に残ります。でも、上演中は「グッドシップ・タイタニック」って言ってるんだと思ってました…駄目じゃん!

俳優の中で印象的だったのはハロルド・ブライド二等通信士役の鈴木綜馬とボイラー係フレデリック・バレット役の岡幸二郎。鈴木綜馬は実年齢よりもかなり若い役でしたが、内気な通信士を好演。ソロだけでなく合唱部分でも良い声でしっかりと聞かせてくれました。岡幸二郎は見栄えのする長身で、自分のソロも一番見せ場の感動的なソロも無難に決めて「かっこいい兄ちゃん」でした。他は、松岡充の演じる船の設計士トーマス・アンドリュース、大澄賢也の演じるタイタニック所有会社社長J・ブルース・イズメイ、光枝明彦諏訪マリーの演じる有名デパート社長で一等乗客のストラウス夫婦、森口博子の演じる有名人と知り合いになろうと夫そっちのけでかしましい二等乗客アリス・ビーン、紫吹淳の演じるアメリカでの新生活に期待を寄せる三等乗客ケイト・マクガワン、宝田明の威厳があって重厚なE・J・スミス船長辺りがおいしい役所でしょうか。他の登場人物たちもそれぞれ印象的なセリフがあって、沈没すると分かってからのそれぞれの選択についつい感情移入してしまいました。

ただ、誰にでもお勧めか、と言われると悩んでしまいます。とにかく均等に見所があるということは、ストーリーとして「ここ!」という盛り上がりが無いということでもありますし、どうしても一等乗客と船員達に話が偏りがちだということも気になります。演出も無難でなかなか楽しいのですが、ユダヤ人のストラウス夫婦が最期にシャンパングラスを割って愛を誓う所とかはもう少し説明が無いと伝わりにくいかな~(何でここでグラスを踏むのか分からない人は「屋根の上のバイオリン弾き」を見ろってことでしょうか)。カードゲームの時や雑談で笑えるはずの駆け引きも、日本語で堅苦しくやり取りされると笑えなかったりして勿体無かったです。

舞台装置も沈没の時にちゃんと傾いたりして頑張ってますが、全体としては70点くらいという印象です。沈没したタイタニックがそのまま浮かび上がったイメージだそうですが、一等ダイニングルームはシャンデリア以外にももう少し「豪華客船」のイメージが欲しい…。

言い出すと色々とツッコミたいことはありますが、それでもまずまずのレベルのミュージカルだったと思います。ちょっとだれる部分もあったし、宝田船長が歌詞を忘れたりしましたが、わざわざ見に行った甲斐はあったと思います。


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コメント 6

keyaki

これ、水曜日の夕刊にレビューが出てました。
>沈没したタイタニックがそのまま浮かび上がったイメージ
ブロードウェイでは、豪華客船の豪華さをリアルに表現していて、そのゴージャスさに圧倒された...そうですけど....
日本の演出では、一旦沈んだタイタニックが浮かび上がったという設定で、そのデッキで沈むまでの話しが展開する....
なるほど、ややこしいかんじですね。
このレビューを書いた方によれば、ブロードウェイで見たときは、乗組員と乗客の階級が、俳優のたたずまいやしぐさからはっきりわかって、誰を優先的に救命ボートに乗せるかというぎりぎりの選択に演劇的な分厚さをもたらしてたが、今回の出演者にはこういう陰影は見られない。日本人の俳優の身体は、なべて「中流」に集中している。その中では宝田明の風格と存在感が抜群.....岡幸二郎の歌声が耳に残る....

なんて書いてあって、ここのところは、全員日本人のオペラも同じだな....なんて感想を持ちました。

ところで、スキンのカスタマイズ、センスが良くて素敵です。私もちょっと遊んでみましたが、なかなかうまくいきませんし、いまのところいい写真もないしなんですけど、一つ教えて下さい。
トップの「FOOD FOR SOUL」私のは、「keyakiのメモ、メモ...」なんですけど、この文字の色はどこで変えられるのでしょうか。下の紹介文は変えられたのですが......
by keyaki (2007-01-26 09:16) 

Sardanapalus

keyakiさん>
>乗組員と乗客の階級が、俳優のたたずまいやしぐさからはっきりわかって
!ああ、そうですね。これがもやもやが残った一番のポイントだと思います。イギリスなんてもっと顕著に階級差を演じ分けるのでアクセントや仕草でメリハリが効くんですけど、どうも全体的に平べったい印象でした。それで笑える部分も笑えなかったんですよね。

>全員日本人のオペラも同じ
まだ全員日本人のオペラは見たことが無いのですが、なんとなく想像は出来ます。ただ歌えるだけじゃなくて貴族のわがまま加減とか、庶民のしたたかさなんてものが見えるようになるとぐんと面白くなるんですけどね。

>スキンのカスタマイズ
褒めていただけて嬉しいです。サイドバーを右にしたら違和感があるのですが、とりあえず作ってみたので使ってます(^^)まだ改善点もあるし、トップの写真は適当に青いものを持ってきちゃったのでそのうち変えます。

>「keyakiのメモ、メモ...」なんですけど、この文字の色はどこで変えられるのでしょうか
私も最初変わらなくて悩んだんですけど、これはリンクの文字色なので、Header部分にある

#banner h1 a{
}

というところの{ }の間に「color:好きな色」のタグを入れれば変わりますよ!keyakiさんの新スキン楽しみにしてます♪
by Sardanapalus (2007-01-26 10:07) 

keyaki

ありがとう。できました。
#banner h1 a{
}
に「color:好きな色」のタグを入れてもだめだったんです。
で、よくよく見たら、なぜか、#banner h1 aのaがとれてました。

いろいろできるのも悩みますね。
by keyaki (2007-01-26 10:35) 

Sardanapalus

keyakiさん>
>#banner h1 aのaがとれてました
あ、なるほど~。どこかで消しちゃってたんですかね。とりあえず問題解決に協力できて良かったです。

>いろいろできるのも悩みますね
そうなんですよね~。CSSセレクタもタグもどこがどう対応しているのか覚えるのが面倒臭い…(^_^;)
by Sardanapalus (2007-01-26 13:03) 

stmargarets

おぉぉ。鈴木綜馬さん、ファンなんですけど(笑)。久しぶりに聴きたいなぁ。

このミュージカルはロンドンでもやるのかしら?
もしややってたのに私が気づかなかっただけ??

ところで昨日、キー様のリサイタル行って来ました。立ち見で。
で、火曜日は太った方のサイモンが歌う所見てきたのでまたご報告いたします。太ったサイモン、結構いい声でした。
by stmargarets (2007-01-26 20:11) 

Sardanapalus

stmargaretsさん>
>鈴木綜馬さん、ファンなんですけど(笑)
わ~い、やっぱり気が合いますね!(^^)私も久しぶりにあの歌声を聴けて幸せでした♪

>このミュージカルはロンドンでもやるのかしら?
どうでしょう?書いている通り登場人物が大量に必要だし、装置もお金がかかるので上演はなかなか難しいみたいです。コンサート形式でも充分楽しめるとは思いますが、「グランド・ホテル」みたいにDonmar Warehouse辺りでやらないですかね。

>キー様のリサイタル
今夜のラジオ放送が楽しみです。タキシードだったそうですね(^^)

>太った方のサイモン
ふふふ、彼のアーサーは絶対に楽しいでしょうね。報告メールお待ちしています。
by Sardanapalus (2007-01-26 22:33) 

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