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映画「Vフォー・ヴェンデッタ」 [映画]

封切からかなり経ってますが、「マトリックス」で有名なウォシャウスキー兄弟による「Vフォー・ヴェンデッタ」を見てきました。個人的に、「甲殻機動隊」とかが好きなウォシャウスキー兄弟は「マトリックス-リローデッド(2作目)」の人間とロボットの精神と社会構成とか、あの辺りの哲学や倫理的にゴチャッとした話が好きそうだな~と思っていたので、今回はどっちに転ぶのか、と様子見も兼ねて見に行きました。どうでもいいですが、邦題はせめて「復讐のV」にして欲しかったです。カタカナじゃ訳が分からない!個人的にはvendetta=ドン・ジョヴァンニの騎士長の言葉なんですけどね(笑)

あらすじ:第3次世界大戦後の帝国・全体主義が支配する近未来のイギリス、終身議長のサトラーの台頭によってナチス・ドイツのような政治が行われ、同性愛者、異教徒その他のマイノリティは全て排除されて「平和になった」イギリスのロンドンが舞台。既に封鎖された強制収容所から過去に脱走して潜伏していたと名乗る男が11月5日にセント・メアリー教会を爆破し、ガイ・フォークス(!この日についてはこちら)の仮面を被ってテレビ回線をジャックし、1年後の11月5日「ガイ・フォークスの日」の国会議事堂爆破を予告、国民全員に議事堂の周りに集まるように要請する。弟と両親を国家の手によって亡くしているイヴィーは、偶然に助けられたVに協力するように仕向けられるが、警察や公安もVの正体を追いかけ始めることとなる…

原作はイギリス80年代のコミックですが、やっぱり「全体主義の独裁政府の監視・統制下でのテロ攻撃に正義はあるか」みたいな事を強調した作品でした。映画自体は非常にマニアックなジャンルですが、その爆破の日の後の社会がどうなっていくのか、結局Vは何者で正義か悪か、といった重要なところを観客に委ねて考えさせる点に高感がもてました。あの変な仮面を被った大勢の人が静かに議会に向かって行進する様は、かなり感動的だったりします。ポスター関係のデザインのかっこよさも良いですね。

流石イギリスのコミックということで、細かいところがむちゃくちゃ「イギリスっぽい」ですし、オーウェルの「1984」の影響(全体主義国家、作中の童謡に登場するセント・メアリー教会の爆破)やガイ・フォークスが説明無しに登場する辺り、かなり地域性が高いと思います。Vは黒衣に包まれて仮面をとらない謎の男で秘密の住処に住んでいるなど、「オペラ座の怪人(小説)」との共通点もありつつシェイクスピアの詩を読むような流麗な英語で自己紹介したりする中々お茶目なキャラだと思います。これもイギリス的。80年代はゴシック・ホラー・ロマンスが流行ってましたからね~、イヴィーとVの関係もかなり影響受けていると思います。ロマンスというより親子愛ですが。

今回映画で気に入ったのは、Vを演じたヒューゴ・ウィーヴィング(Hugo Weaving)と、反政府的なフィンチ警視を演じたスティーブン・レイ(Stephen Rea)。2人とも渋い演技です。特にウィーヴィングは顔を出さないVを熱演してました。エルロンドやエージェント・スミスは伊達じゃない!(笑)レイの警視は、ぱっと見コロンボ警部のようですが、国家ではなく秩序維持のためにだけ働く男、公安にも言いたいことはずばっと言い放つ「漢」でした。なんてかっこいいんだ!!イヴィー役のナタリー・ポートマン(Natalie Portman)も良かったと思いますよ。ちょっと脇が濃すぎたか、印象は薄いですが(笑)何せサトラーにジョン・ハート(John Hurt)、イヴィーの上司ゴードンにスティーヴン・フライ(Stephen Fry)といった、クセのあるイギリス人俳優が目白押しですから(^_^;)

とりあえず、ウォシャウスキー兄弟にはこれからもこういう分野を開拓していってもらいたいものですね。同じような近未来ものとして、日本アニメの「キャシャーン」も映画化されましたが、「Vフォー・ヴェンデッタ」の方が完成度は高いです(というか、「キャシャーン」の製作者は言いたいことが整理できてないか、大衆を相手にする映画という媒介を理解していないと思います)。


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Belle de Nuit

面白そうですね! エージェント・スミス…じゃなくて、ヒューゴ・ウィーヴィングがそんなに良いと聞くと、見たくなりました。劇場公開中に間にあえば、行ってみようかな? 友達に聞くと、字幕を読むのに消耗するということですけど、私の場合、頑張るしか無い!(笑)。ガイ・フォークス・デイは、以前のSardanapalusさんの記事で初めて知りましたけど、こうい予備知識、あるとないとじゃ大違いですね。感謝です(^^)。ところで、ガイ・フォークスは、通常こんな笑い顔(のお面? 人形?)で表現されることが多いんですか? 一瞬「笑い男」を連想してしまい(^^;;
by Belle de Nuit (2006-05-20 00:13) 

Sardanapalus

Belle de Nuitさん>
最近のコミック原作映画では一番気に入りました。

>字幕を読むのに消耗する
やっぱり、ガイ・フォークスやら全体国家の制度やらが頻出しますからね。登場人物も多いのに暗くて、あれ?これは誰だっけ?ってなっちゃいます。

>ガイ・フォークスは、通常こんな笑い顔(のお面? 人形?)で表現される
どうなんでしょう。そこまでは分かりませんが、原作コミックでもこういう仮面だったようです。気持ち悪い笑顔ですよね。
by Sardanapalus (2006-05-20 13:38) 

Lina

お久しぶりです。
この映画、原作マンガだったんだね...知らなかった(^^;)
政治(?)バカの私にとって理解し難い映画でした。この映画の英語
が難しく聞こえるのは気のせいでしょうか?(笑)
やっぱ字幕無しはキツイ...。
by Lina (2006-05-26 01:26) 

Sardanapalus

Lina>
久しぶり!

>この映画の英語が難しく聞こえるのは
気のせいじゃないと思うよ。かなり政治・倫理の発言をしているので、私も日本語字幕つきで助かったところ多数(笑)
by Sardanapalus (2006-05-26 22:28) 

クリス

そうそう!そうなんですよ~。Vの自己紹介がまるでシェークスピアっぽかったし、「オペラ座の怪人」的な部分も持ち(恋心を抱いた仮面男ですもんね~)、スティーブン・レイは「刑事コロンボ」っぽかったんです!役者が良かったのはもちろんですが、画がとても綺麗で印象的でした。特に花火のシーンなんて、ガイ・フォークスデイにもみなかったような豪華なもんで(笑)
「キャシーン」はお話にならなかったですよねー。お金払ってくれても、もう一度観たいとは思えない・・・。
by クリス (2006-05-28 23:21) 

Sardanapalus

蟻銀さん>
ご賛同いただけてうれしいです♪

>画がとても綺麗
でしたね、カット割りも流石ウォシャウスキーって感じで、私もあんなにきれいな花火は見たことがありません。特にイギリスでは(笑)
by Sardanapalus (2006-05-29 12:32) 

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