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映画「耳に残るは君の歌声」 [映画]

耳に残るは君の歌声先月は怒涛のように劇場に通っていたので、日本に帰ってきてからの劇場の無い生活はちょっと寂しいなぁ~ということで、ふと思い出して見返してみました。好みは別れる映画だと思いますが、私は大好きな映画「耳に残るは君の歌声(The Man Who Cried)」です。既にDVDにもなっている映画なので、今回は最後までネタばれです。ご注意ください。

元はダンサーという経歴を持つイギリス人サリー・ポッター(Sally Potter)監督作品。キャストは揃っているし、話自体もロマンティックなので個人的にはもっと売れても良い作品だったと思っています。

あらすじ:ユダヤ人のスージーは、幼い頃に東ヨーロッパの住処から追われ、アメリカに渡るはずがイギリスで一人成長する。その間ずっと心に残っていたのはアメリカに出稼ぎに行き、いつか呼び寄せてくれるはずだった父がいつも歌ってくれていた、タイトルも分からない歌。コーラス・ガールとしてパリにやって来たスージーは、そこで出合った美人のロシア人ダンサーのローラとちょっと不思議な友人になり、一緒にショーダンサーとしてパーティーに出演することになる。出世欲の強いローラは、パーティーに来ていたイタリア人の売れっ子オペラ歌手ダンテ・ドミニオに接近し、彼の注意をひくことに成功。コネで手に入れたオペラでの群集役としてスージーもロラと一緒に劇場に行くと、そこにはパーティーのショーでも馬を操っていたジプシーのチェーザーがいた。ローラはダンテとの贅沢ながらも利害関係の強い関係、スージーはチェーザーとの貧しいマイノリティ同士での関係を選んでそれぞれの道を進み始めるが、同時に第二次世界大戦へと至るヨーロッパ各国間の緊張も高まっていた。開戦が迫る中、ファシストのダンテとの愛の無い関係を捨てたローラは、ユダヤ人であるスージーにアメリカに渡って生き別れの父を探すように薦める。結局チェーザーとの関係を諦めてアメリカに渡ったスージーは、ついに病床にある父親を探りあてて訪れ、枕元であの歌を歌うのだった。

タイトルからすぐに予測できる通り、ビゼー作曲の「真珠とり」の名曲「耳に残るは君の歌声」を、スージーの父親がイディッシュ語で歌ったり、パーティーでダンテがイタリア語で歌ったりしてくれるので、あの名曲が何度も聞けるというだけでも美味しい映画です。ミュージカル映画の女優を目指すローラはアメリカに着く前に船の爆撃で死んでしまうし、父と別れてから常に様々なものを諦めてきたスージーが、チェーザーも諦めてやっと見つけた父親には新たな家族がいたりして最後は必ずしもハッピーエンドではありませんが、静かに感動できる作品です。

今回なぜこの映画を見たのか?それはずばり、劇場、特にオペラ作品がいっぱい出てくるから。上のあらすじでも分かるとおり、主要キャラとしてTHE MAN WHO CRIED (邦題:耳に残るは君の歌声) オリジナル・サウンドトラックオペラ歌手が出てくるので20世紀初頭~中頃のパリでのオペラ公演の裏側が 見放題です。登場するオペラは「トロヴァトーレ」「トスカ」「真珠採り」ですが、他にもパーセル作曲の「ディドとエアネス」から「ディドの悲しみ」というアリアをスージーが歌ったり、ダンテが「帰れソレントへ」を歌ったりします。ちなみに、ダンテ役の声を当てているのはサルヴァトーレ・リチートラ(Salvatore Licitra)。サントラCDはこちらです←。

劇場シーンの中でも一番好きなのは、ダンテがマンリーコを歌う「トロヴァトーレ」のリハーサル。へんちくりんな動きで「俺様を見ろ!」光線出しまくりのダンテが、歌の盛り上がりで馬を舞台中央に持ってくる演出に不満たらたら、「客は馬を見に来るんじゃない、俺の歌を聞きに来るのだ!」とフランス人演出家に文句を言うシーンはいつ見ても可笑しくて大好き(^_^)しかし、ダンテ役のジョン・タトゥーロ(John Turturro)って、何やっても上手いですよね~。

 

主人公スージーはクリスティーナ・リッチ(Christina Ricci)、シーザーはジョニー・デップ(Johnny Depp)、ローラはケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)と、タトゥーロ以外にもクセのある俳優が揃っています。リッチは普段は物静かでも粘り強くて諦めないスージーを現実感たっぷりに演じていますし、デップのシーザーはとりあえず不思議に魅力的(^^)です。何よりもブランシェットの、ぱっと見は派手で自分勝手なのに本当は友達思いのロラが印象的です。彼女はとにかく美しい☆ですしね~。全く、デップもブランシェットも守備範囲が広すぎ!でもそこが大好きなんですけど。

オペラ好きでまだご覧になっていない方がいたら、ぜひ見てみてくださいね。ゴテゴテの演出とダンテの怪演が見られるオペラシーンだけでも一見の価値ありだと思いますよ(笑)


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コメント 4

クリス

こんにちは!私もやっと日本に到着しましたー☆
この映画、ずいぶん前に映画館で観たっきりだけど、美しい映画だったなぁと覚えてます。いい役者が揃ってましたしね。ラストシーン、あの歌を父親に歌いかける所は、いい終わり方でした。こちらの耳にもあの歌が残るような・・・。
by クリス (2006-02-19 23:35) 

keyaki

すっかり忘れてました。この映画オペラファン必見の映画ですよね。
キャストもいいし、ずいぶんTVで宣伝もしていたし、内容も面白そうで、期待しすぎたのか、チョイ期待外れだったかなぁ。暗いし、、
タトゥーロ演じるオペラ歌手がなぜか恥ずかしかった。
時代に翻弄されるユダヤ人少女の半生ということで、いろいろてんこ盛り状態で冗長で散漫な感じを受けました。
ところで、「父を尋ねて三千里」のわりには、最後がアレレだったような、、といいながら、結末が記憶から完璧に抜け落ちていますが、どういう結末でしたかしら。

>劇場の無い生活
あれだけご覧になっていたわけですから、そりゃ寂しいですよね〜
首都圏でしたら、「劇場のある生活」ができなくもないようですけど、先立つものがねぇ。
映画もイギリスより高いんじゃないですか?
by keyaki (2006-02-20 00:33) 

Bowles

この映画、映画的にはたいした出来じゃないと思うのですが、なんだか記憶に残る映画ですね。

まあ私としては、役者(特にDeppe ♡♡♡)に惹かれたのがひとつ、それからやはりイディッシュのビゼー。ついついサントラ、買ってしまいました。英国に渡ったリッチがなかなか周囲にとけ込めない時、歌がきっかけとなって自己表現していく過程はなかなか感動的でしたね。それもポドレシュの歌うディドーだなんて!!

そうそう、役者といえば、父親役のオレグ・ヤンコフスキ。タルコフスキの『ノスタルジア』の役者さんです。懐かしかった...。
by Bowles (2006-02-20 09:14) 

Sardanapalus

蟻銀さん>
おかえりなさ~い!

>美しい映画
という評価が一番ぴったりくる映画ですね。記事には「もっと売れてほしい」って書きましたけど、万人ウケするような映画じゃないと思います。

keyakiさん>
>オペラファン必見の映画
keyakiさんの「映画シリーズ」にも登場するかなぁ~?と思いながら記事にしてました。どちらかというと、ストーリー自体よりも力が入った劇場シーンが見ものかな?なんて思ってます。最初に見たときは、私もタトゥーロの演技に恥ずかしい思いをしたものです(笑)

>結末
は、恋人とも別れ、友人も無くしてようやく見つけた病床の父には新しい家族がいて、結局彼女は一人生きていかなくてはならないみたいね、という状況を見せつつも2人きりの病室で記憶に残る父の歌を歌ってあげるシーンで終わってます。報われてないし、暗いですね(^_^;)

>先立つものがねぇ
日本で同じくらい劇場に通おうと思ったら、いくらお金があっても足りないですね~。映画は、近くのシネコンで朝1番と夜の最後の回が1000円になる時を狙って見に行ってます。

Bowlesさん>
>たいした出来じゃないと思うのですが、なんだか記憶に残る映画
疑問点もいっぱいありますし、あまりにもスージーが薄幸すぎるという感もありますが、要所要所で丁寧に構成された映像が印象に残りますね。文句なしにお勧め!という訳ではないのに不思議な映画です。

>ついついサントラ、買ってしまいました
分かります!音楽だけなら誰にもお勧めですね(笑)ちゃんと歌える人が声を当てているし、選曲もセンスがあると思います。

>タルコフスキの『ノスタルジア』
気になっていながら見ていません。あのお父さんですか、これはレンタルして見なくちゃ!
by Sardanapalus (2006-02-20 12:52) 

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