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演技つき「美しき水車屋の娘」 [音楽(クラシック)]

今日はふと思い立って、コヴェント・ガーデンの地下にあるリンブリー劇場(Linbury Theatre)→で絶賛?開催中の「ミート・ザ・ヤング・アーティスツ・ウィーク(Meet The Young Artists Week)」というプログラムの中の、演技つき「美しき水車屋の娘(Die Schoene Muellerin)」を聞きに行きました。これはいわゆる、コヴェント・ガーデンのヤング・アーティスト・プログラムに参加している歌手・演出家・ピアニストたちの発表会のようなもので、無料のランチタイム・コンサートから、今回のように有料(といっても最高10ポンド、約2000円)のものまで1週間の間、演奏会がびっしり計画されています。

今回の歌手はテノールのロバート・マーレイ(Robert Murray)、ピアノ伴奏はデイヴィッド・ゴウランド(David Gowland)でした。実はマーレイは私が見た「魔笛」でタミーノを代役で歌ったのですが、その時は全く良い印象を受けることがなくて不満の残るパフォーマンスでした。今回そんなことはすっかり忘れていたのですが、姿を見たとたんに「あ!」と思い出しちゃいました(笑)最近の歌手には珍しく?小太り体型なんです(^_^;)そんな感じで少々不安だったのですが、今回は会場も小さくて無理に声を張り上げる必要もなかったからか、歌唱を気にすることなく物語、というか歌曲集の中の話に入っていけました。

開演前からステージ上には綺麗な女性が椅子に座っていました。舞台上は前方の2メートル程度以外は一面緑の芝生で覆われていて、その上にピアノが置かれています。彼女が座っている椅子は舞台前方上手にあって、下手には四角い箱。彼女がその箱から譜面を取り出してピアノに置いたところで歌手と伴奏者がステージ裏から飛び出してきて演奏開始です。演技つき、ということで当然衣装は田舎の舎弟っぽい、ジャケットにズボンに帽子といったもの。走りこんできた勢いのまま1曲目'Das Wandern'へと行く流れはなかなか良かったと思います。つかみはオッケーってやつでしょうか(^_^)

女性は基本的にはこの主人公を導く川を表しているようですが、時には「美しき水車屋の娘」を演じます。もちろん台詞はありませんが、なかなか説得力のある演技をする人で、一瞬で川から娘になったりして目が離せませんでした。基本的には、娘に惚れてしまった主人公を愛し、見守る川の精というような位置づけだったと思います。彼が嬉しそうに娘のことを語るときは、思い切りすねてましたし。可愛い~☆最後も、彼が川に入ろうとするのを一生懸命に止めようとしていました。

マーレイは、動き回りながらもエッジの効いたテノールの声で、表現力たっぷりに聞かせてくれました。今回、彼への評価はかなり好転しましたよ♪声質も、ボストリッジよりははるかに私好みです。いくつか音を外すような箇所もありましたが、とにかく若いことと、感情の起伏の激しさに説得力があって楽しめました。いちいち全ての音をチェックできるほど聞きこんでいる訳でもないし、そこまで思い入れもありませんしね。今回痛感したのは、この歌曲集はやっぱり若い歌手の歌うものだということ。だって、お爺さんになってから「彼女は僕のもの!」とか歌われてもちょっと…ですから(^_^;)

演出家もヤング・アーティスト・プログラム参加者のハリー・フェア(Harry Fehr)、走り回ったり、歌いながら舞台奥の黒い壁にでかでかとチョークで「DEIN!」と書いたり、緑のリボンを体中にぐるぐる巻きにしたり、芝生の上をごろごろと転がったり、壁に突進したり、となかなか大変なことを歌手に要求していましたが、基本的には詩の内容に忠実な、分かりやすい演出だったと思います。歌手は動きながら歌わなきゃいけなくて大変でしょうけど、ヤング・アーティスト・プログラムの参加者達でこういった作品を作り上げて、さらにそれを発表する場所があるというのは素晴らしいですね。

実は今回が「美しき水車屋の娘」の実演は初めてだったのですが、初体験がこういう演技つきのもので結果的には良かったです。最後まで飽きなかったし、川の精と「娘」役のフランシス・ミラー(Frances Millar)も素敵だったし、歌と演技が上手くかみ合っていた公演でした。こういう感じなら、歌曲集に演技をつけるのも面白そうですね。まあ、演技じゃなくてモダンバレエの振り付けをつけてしまう人たちもいますが(笑)


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dognorah

今週はヤング・アーティスト週間で、私は月、木、金と行きましたが、舞台に人工芝が敷いてある理由がこれでわかりました。
マレーが初めてクラッシュ・ルームでこの曲を歌ったときのレポートをTBさせていただきますね。
彼はこの曲にかなり入れ込んでいて、St Jone's Smith Squareでリサイタルを開催していますし、CDも吹き込んでいます。私も結構うまいと思いました。
by dognorah (2005-10-23 06:44) 

Sardanapalus

dognorahさん>
お待ちしていました(笑)TBもありがとうございます。

>舞台に人工芝が敷いてある理由
あの芝って敷きっぱなしだったんですか!?ある意味すごいなぁ(^_^;)

>CDも吹き込んでいます
2005年10月発売ですから、そろそろのはずですね。ピアノもマルコム・マルティノー(Malcolm Martineau)だし、見かけたら買ってもいいかな、と思います。またまたマルティノーが伴奏の、ミヒャエル・シャーデのものも気になりますけど…。
by Sardanapalus (2005-10-23 08:24) 

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