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オペラ「ドン・ジョバンニ」(1):演出・舞台編 [オペラ(実演)]

今回日本に帰ってくるに当たって一番楽しみだった、モネ歌劇場来日公演「ドン・ジョバンニ」を4日に見てきました。

やっぱり私はマクヴィカーの演出大好きだーーー!(^o^)

流れるように進むし、各キャラクターの描き分けもはっきりしていて分かりやすいし、正に「歌だけがオペラじゃない」ということを体現する、謎解きのような楽しさが満載の演出でした。歌手達もキーンリーサイドのジョバンニは身軽でカッコイイし、レミージョのアンナは美しいし、リンドロースのレポレッロはコミカルで、セラフィンのエルヴィーラは迫力があって、「ドン・ジョバンニ」は何度か見ていますが、こんなに充実した公演は初めてでした。

「『ドン・ジョバンニ』って、見飽きちゃった」から今回のモネ歌劇場の来日公演は行かないという方、はっきり言って、この演出は見ないと損ですよ!まだ当日券もあるようなので、ぜひ明日6日か8日に行ってみてください!(ホールの音響はあまり良いとは思えませんでしたけど…)


まずは演出と舞台・衣装から。今回もマクヴィカーがいつも使うメンバーで作っているらしく、相変わらずのゴシック的な、灰色を基調としたシンプルでもセンスのいいステージセットは、まるで「ハムレット」の墓場のシーンのようです。そして、凄い傾斜舞台!舞台奥からオケピットぎりぎりまでずっと傾斜しているんですが、半端じゃない角度です(笑)この基本的な舞台が変わることは無く、場面ごとに灰色の仕切りが出てきて舞台上を2分したり、墓場では左の写真のように騎士長の墓ともう一つの墓らしきものが出てくるだけ、マゼットとツェルリーナの結婚式もアンサンブルがテーブルやイスを持ってきたり、というシンプルなものですが、歌手が動き回るマクヴィカーの演出では、これくらいで充分。照明の使い方と人間で雰囲気はいくらでも変わりますからね。衣装も素敵です!とりあえず、今回の登場人物は時代劇風ですが、皆服のセンスがいいですね~(笑)エルヴィーラの旅装がズボンなのが一番目新しい点でしょうか。ジョバンニは黒一色のロングジャケットにタイトなズボンとハイカットブーツで、骸骨の装飾のついた仕込み杖を持っていてとにかくカッコイイです。これは惚れますね!そうそう、レポレッロの上着はなぜか軍服のロングコートでした。よく見ると勲章もついていましたね。召使になる前に戦地にでも行ったのか、どこからかくすねたのかは不明ですが、色々と想像を膨らますことが出来て面白かったです。変装した時も違いが良く出ていましたしね。

演出は、本当にマクヴィカーらしいものでした。とにかく話の展開が速い!ボーっとしていると置いてかれてしまいます(@_@)だから、字幕を追っていると面白い部分をいっぱい見逃してしまいますね。(私はほぼ内容を暗記しているので今回は字幕は殆ど見ませんでした)とにかく舞台上を満遍なく使って歌手達を動かすので、歌をじっくりと聴きたい方には合わないかもしれません

たとえば、冒頭のシーンを軽く解説すると…レポレッロは序曲が終わる前に舞台に登場して、ふてくされてます(笑)短いソロを挟んでジョバンニが半裸にマント姿で登場、その後を寝巻きにはだしのアンナが追いかけてきますが、騎士長が出てくる前にジョバンニに組み敷かれちゃいます(^_^;)続く決闘シーンでは、ジョバンニは正に「娘を助けに来た」騎士長の周りを軽いフットワークで動き回りながら、少しずつ傷を負わせてじわじわと動けなくさせていき、最後は倒れこんだ騎士長の胴を突いて止めを刺します。はっきり言って、かなりリアルな殺し方(>_<)で怖いし気持ち悪いです。この後アンナとオッターヴィオが登場し、騎士長の死体が片付けられるのを見送りながらの2重唱が終わるまでず~っと流れが止まりませんでした

息をつく暇が無いという言葉がぴったりです。もし、「ドン・ジョバンニ」初心者でこれからご覧になる予定の方がいらっしゃったら、なるべくレチタティーヴォは内容を覚えていかれた方がいいと思います。字幕を見ていると話に置いてかれちゃいます(^_^;)特に細かい演技が面白いですよ~。例えば、主人が口説こうとしている女性がエルヴィーラだと先に気付いて大ウケしながら様子を見守るレポレッロ、変装させたレポレッロの芝居を寝転んで楽しむジョバンニ、「私の夫です」と庇ったジョバンニが偽物だと分かったエルヴィーラを慰めるツェルリーナ、フィナーレを歌う6人(アンナ、エルヴィーラ、ツェルリーナ、オッターヴィオ、レポレッロ、マゼット)がそれぞれ歌いながら上げる手は、貴族組は右手、庶民組は左手だったり…。全体的に極力流れを止めてしまう拍手を拒否するような演出になっていて、2幕なんかは始まってからツェルリーナがマゼットに「薬屋の歌」を歌い終わるまで拍手が出来ないどころか、全てのキャラクターが動き回るのでそれぞれの動きを見逃さないようにすることで精一杯…(^_^;)だって、誰も彼も意味深な動きしてるんだもん!!大変ですよ~(笑)でも、こういう演出が好みな私は本当に満足です!

勿論好みは人それぞれですが、これは適度な大きさの劇場で作られた演出なので、歌手とセットのバランスも上手くまとまっていて、見やすかったと思います。何度でも言いますが、時間があったらぜひ見ておくべき公演だと思います!というか、映像化してくれ~!(切実)


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コメント 6

ヴァラリン

キーンリさんも大忙しですけど、追っかけるサルダナさんも大忙しですね(^^!
(1)ということは、続きがあるってことでしょ?^^;詳細なレポ、まだまだ楽しませて頂けそうね?

>適度な大きさの劇場で作られた演出
ああ…何となくわかる気がします。結構重要ですよね、こういうのって。
モネ劇場も一度行ってみたいですね。写真で見ると、豪華そうなんだもん~♪
by ヴァラリン (2005-10-06 05:12) 

ロンドンの椿姫

>ジョバンニが半裸にマント姿で登場
やっぱり!

他の歌手がやるときはちがったりして・・。

http://peraperaopera.ameblo.jp/
by ロンドンの椿姫 (2005-10-06 07:39) 

Sardanapalus

ヴァラリンさん>
>(1)ということは、続きがある
もちろんあります(笑)順次書いていきますので待っていてください。

>モネ劇場
>豪華そう
それこそ、大きさも装飾もオペラに最適!って感じですよね。私も行きたいです~。

ロンドンの椿姫さん>
>>ジョバンニが半裸にマント姿で登場
>やっぱり!
やっぱり!でした(笑)まあ、広告のクリップでも見ていたので「ちゃんと裸だ~」という感じでしたけど。今回の演出では騎士長を殺して退場するまで上半身裸でしたよ(^_^;)
by Sardanapalus (2005-10-06 09:34) 

すばらしい。

待ってましたよ!
さすがすばらしい筆致と観察力!!!
私はきょうも行きますよ。
しかしすごく疲れて死にそうになりました。自己同一化してしまう。タンホイザーのようなカタルシスないし。
by すばらしい。 (2005-10-06 09:51) 

Sheva

間違えちゃいました。上記はShevaです。ついでにTBも2回送信してしまいました。恥ずかしい。削除してくださいませ。ところでParisの冬の旅も行きますか?
by Sheva (2005-10-06 09:53) 

Sardanapalus

Shevaさん>
>私はきょうも行きますよ
なんと羨ましい…。私も東京に住んでいたら絶対に行っていた事でしょう。地方在住者は交通費も考えなくてはいけないので辛いです(>_<)

>Parisの冬の旅
行けたら行きたいと思っていますよ~。あの「冬の旅」はぜひ見たいですから。ちょっと予定がどうなるか分からないのでチケットは取ってないですけど、ヨーロッパは当日券が必ず出るので80パーセントくらいの確率で行くと思います(笑)
by Sardanapalus (2005-10-06 13:16) 

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