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オペラ「マノン」@ROH [オペラ(実演)]

ロイヤル・オペラでこの夏一番の話題の新演出といえば、この秋の来日公演にも持ってくるアンナ・ネトレプコAnna Netrebko)主演のマスネ(Massnet)作曲「マノン(Manon)」公演です。元はデ・グリュー役にヴィリャゾンがキャスティングされていたのですが、早い段階でキャンセルになり、今をときめく若手テノールのヴィットリオ・グリゴーロ(Vittorio Grigolo)が代わりにロイヤル・オペラデビューとなりました。私のお目当ては、やっぱりこのグリゴーロ!だって、来日公演のデ・グリューは別人なんですもの~。

あらすじ
マノン・レスコーは、修道院に入る途上で立ち寄ったアミアンで、若い騎士デ・グリューと会い、2人は熱烈な恋に落ちる。デ・グリューは修道院に入るというマノンを説得し、2人でパリへ駆け落ちして一緒に暮らすことにする。ところが、パリの2人の家にマノンを我が物にしようとするブレティニーとマノンの兄レスコーがやってきて、デ・グリューがいない間にマノンを金で誘惑する。愛よりも「望むものが手に入る贅沢な暮らし」を選んだマノンは、涙ながらにデ・グリューと分かれる。この失恋にショックを受けたデ・グリューは、神学校で信仰に身をささげる決意を固めようと努力するが、マノンのことが忘れられないでいる。そこへ、デ・グリューの居場所を聞きつけたマノンがやってきて、よりを戻したいと懇願するのに屈して再び2人で暮らし始める。マノンの享楽的な性格は変わらず、デ・グリューはすぐに遺産を使い果たしてしまうが、マノンの説得で賭博場へとやってくる。そこではマノンをずっと狙っているギヨーが賭博でもデ・グリューに負けた腹いせに、2人がいかさまをしたと訴えて逮捕させてしまう。父親の尽力で釈放されたデ・グリューとはちがい、マノンは売春婦としてアメリカへ売られてしまう。レスコーに流刑船の船員を買収してもらい、ひと時の逢瀬の時間を得たデ・グリューとマノンだったが、衰弱していたマノンはデ・グリューとの愛を確かめ合った後、彼の腕の中で息を引き取る。

え~と、まずはっきり言いまして、私はこのオペラ苦手です。映像で見ていると、いつも途中で寝てしまいます(^_^;)デ・グリューの歌うアリア「消え去れ、優しい幻影よ(Ah fuyez douce image)」は名曲だと思いますが、ダラダラとめりはりなく長いオペラ、という印象です。今回はローラン・ペリ演出ということで、もしかして楽しめるかと期待していたのですが、残念ながらやっぱり退屈してしまいました。ペリにしてはちょっと大人し目というか、衣装は美しかったですが主人公カップルが走り回っていた以外にはあまり動きがなく、話が進まない場面などは時差もあって思わず船をこいでいました(^_^;)特に悪い部分は無かったとは思いますが、逆に惹かれる部分も無かったというのが正直な感想です。このオペラのストーリー展開というか、音楽自体に魅力を感じないという私にも楽しめない理由はあると思いますが、デ・グリューはまだしもマノンがあんなにどたばたと走り回る必要があったんでしょうかね?(特に、ネトレプコはあまり走る姿が美しくないので…)

そんな「まあまあ」な演出でしたが、歌手達は高水準の歌唱を聞かせてくれました。マノンのアンナ・ネトレプコは、高音まで楽々と出るねっとりとした歌声で、演技面での物足りなさを十二分に補っていたと思います。久しぶりに生で彼女を見ましたが、確かにぽっちゃりしましたね~。まあ、それでもまだまだ美しいし存在感はありますし、彼女が歌うことを前提にしたと思われる演出でしっかりとマノンを歌っていました。存在感と言えば、デ・グリューを歌ったヴィットリオ・グリゴーロは正にスター性のある歌手で、歌よし、演技よし、顔よし、スタイルよし、で理想のテノールなんじゃないでしょうか?歌の強弱が激しいので急に声が小さくなったり大きくなったりしてビックリさせてくれたりしますが、歌っている内容に沿っているので違和感は感じませんでした。時々フォルテの声が大きすぎて割れて聞こえてしまうのがもったいないので、今後は劇場にあわせた声の出し方を考えて欲しいです。金属的な響きのある声ですので好みは分かれそうですが、私は結構気に入りました。カーテンコールでの「オレ様」態度も憎めません(^^)今後の活躍が非常に楽しみです。

他の歌手は、ROHらしく演技も出来る人たちが揃っていたと思いますが、なかでもベテランのイギリス人バリトン歌手、ウィリアム・シメル(William Shimell)のブレティニーが素敵☆でした。今回はチョイ役ですけど、彼は演技が上手いのでいつも注目してしまいます。指揮はアントニオ・パッパーノ(Antonio Pappano)で、彼らしい歯切れのいい、細かいところまで行き届いた演奏が楽しめたと思います。最近はテレビでもオペラ紹介番組の司会をしたり大活躍のパッパーノ、これは来日公演も楽しみです♪

カーテンコールでは熱狂的な声援が主役カップルに注がれて大盛り上がりでした。個人的には、やっぱりオペラ自体が気に入らなかったのでイマイチ乗り切れなかったですけど、久しぶりのネトレプコと、気になっていたグリゴーロを一度に聴けて、ついでにシメルも聴けて(笑)、当日券に並んだ甲斐がありました。それにしても、ロイヤル・バレエの人気演目「マノン」は、マスネの音楽を使っているにも拘らず、このオペラからの曲は使われていないんですね!?な~んてことに見終わってから気付く私…バレエの「マノン」の方が断然面白く感じました。って、来日公演の前にネガティブな感想で失礼しました~。ネトレプコ目当ての方なら絶対に楽しめる公演ですよ!(とフォローフォロー^_^;)
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コメント 4

keyaki

レポート待ってました!
しかし、レビューが次々山ほど出たのには吃驚です。
さすが演劇の国というか、評論好きというか.....
リストアップするだけでも大変でした.....
こちらの記事もリンクさせてください。TBもさせていただきますのでよろしくお願いします。
http://colleghi.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24

二人で走り回ってたんですか.....(笑
若さを強調する演出かしら。
実は私もマスネのマノンは、全曲どころかテノールのアリアとか聞き所もぜんぜん知りませんでしたので、まあ、いいチャンスでした。プッチーニの方がドラマティックでたいくつしないような気がしますね。
テノールの部分だけは、耳に馴染んできて、好きになったかな......

>歌の強弱が激しいので急に声が小さくなったり大きくなったりしてビックリさせてくれたりしますが、歌っている内容に沿っているので違和感は感じませんでした。

これ、けっこう違和感有り...の人が多いみたいですね。私は、メリハリがあって好きなんですけど。最後とか同じ音を長く延ばすところでも所謂メッサ・ディ・ヴォーチェってのをやってますしね。これって、難しいテクニックみたいですので、やらない歌手が多いようですけど。

>カーテンコールでの「オレ様」態度も憎めません(^^)
「謙遜することを知らない.....イタリア人は皆そうだけど....」みたいに書かれた記事もありましたけど....舞台に上がると嬉しくなっちゃうんでしょうね。あちこちで、この公演を映像で残さないのはどういうこと? なんてコメントを見かけましたが、ほんと残念です。
ところで、ROHって、劇場のサイトには舞台写真も掲載されてないようですけど、見落としではないですよね。

>ウィリアム・シメル(William Shimell)
素敵ですよね。

by keyaki (2010-07-19 03:08) 

Sardanapalus

keyakiさん>
長らくお待たせしてしまいましたので、一番に「マノン」を記事にしてみました。でも、私のような中途半端な記事よりも、様々な視点の批評が大量に出てきてましたよね。本当、イギリスでの新演出や人気歌手の出る公演は山のように批評が出るので追いかけるだけでも大変です(^^)

>テノールの部分だけは、耳に馴染んできて、好きになった
少なくとも、マノンの歌う部分よりはデ・グリューのパートの方が私も聞きやすいですね。今のところ、魅力を感じるのはアリア「消え去れ、優しい幻影よ」だけですけど(^_^;)

>ROHって、劇場のサイトには舞台写真も掲載されてないようですけど、見落としではないですよね。
ROHのサイトでは、公演写真は公開してませんので、見落としではないです。写真が欲しければ、プレス用のコンタクトに連絡を取らなくてはいけません。新聞やウェブ批評の多くは写真を載せていますので、そちらで見て楽しむか、歌手個人個人のウェブページに載るのを待つしかないと思います。今回は映像にはならないみたいですが、この演出はトゥールーズとMETとの共同演出のようですから、もしかしたらMETでHD放送やDVDになる予定があるのではないでしょうか?

by Sardanapalus (2010-07-19 15:09) 

keyaki

Sardanapalusさん
ありがとうございます。Intermezzoさんがいつもいっぱい載せてますが、あれは「プレス用のコンタクトに連絡」をとって貰っているのかしら。それとも劇場のショップでは売っているんですか?

>もしかしたらMETでHD放送やDVDになる予定があるのではないでしょうか?
メトはベチャラなんですよ......
by keyaki (2010-07-19 17:33) 

Sardanapalus

keyakiさん>
>Intermezzoさん
彼女は、おそらくROHに連絡を取っていると思います。それか、カメラマンと懇意にしているとか?ROHでは、人気歌手をポストカードにすることはありますが、ブロマイドや舞台写真は売っていないですね。

>メトはベチャラ
あら~グリゴーロのファンには残念ですね。いくらネトレプコとはいえ、相手役はまだ今回がデビューのテノールですから、ROHの方も冒険は出来なかったということかしら。映像の時は見た目も大切だと思うんですけどね~。
by Sardanapalus (2010-07-19 22:08) 

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