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フィガロもキャンセル…その理由 [Keenlyside]

今年の仕事始めのはずだったウィーンでの「仮面舞踏会」をキャンセルしたサイモン・キーンリーサイドですが、来月のROHでの「フィガロの結婚」も引き続きキャンセルしてしまいました。「仮面舞踏会」のキャンセル発表からすでに2か月近く経っていますので、よっぽど体調がすぐれないのかと少し心配になっていたところ、昨日SimonKeenlyside.infoに本人からのメッセージがアップされました。

◆A Message from Simon, 27 January 2012
※キーンリーサイドにメッセージを送りたい方は、こちらのコメント欄に記入すれば本人に伝わるそうです。

「みなさん、またやっちゃってごめんなさい。こんなキャンセル行為が、最近のちょっとした傾向になってしまっていますね。」と始まるそのメッセージによると、ウィーン、ロンドンと連続で公演をキャンセルした理由は、奥さんのヤノフスキーが体調を崩して子供の世話をしなくてはならないからのようです。「仮面舞踏会」の時はクリスマス・新年のホリデイシーズンでベビーシッターもお休みだったから家を離れられず、そして今回の「フィガロの結婚」は子供の相手をしつづけて喉を傷めてしまったから、という「全くお間抜けな」(本人談)理由なのだとか。(確かに、小さい子供の相手は喉に負担がかかりますね。私の叔母も、孫の世話をしていただけで喉にポリープができました(^_^;))安くない出費をして自分の歌を楽しみにしてくださっていたファンには申し訳ないけれど、人生には仕事より家族をとらなくてはいけない時があるのです、という内容でした。

とりあえず、喉を傷めたといってもそんなに深刻ではなくて、3月のミュンヘンの「エフゲニー・オネーギン」は歌うつもりだということですから、キーンリーサイド自身の体調はそんなに心配しなくてもよさそうです。昨年は左腕の手術やら肺の感染症(?)やらで心配させられたので、もっと深刻な状態なのかとドキドキしてしまいました。逆に、奥さんのヤノフスキーは年末に入院したそうですし、その前から舞台でも冴えない踊りをしていたようなので、かなり心配です。早く良くなっていただいて、また素晴らしい踊りを見せて欲しいものです。

実は私もこの「フィガロの結婚」を見に行くので、このキャンセルの連絡には本当にガッカリさせられました。折角マクヴィカーの演出でキーンリーサイドの伯爵が見られるはずだったのに~と思わずにはいられませんが、今回はパッパーノの指揮とダルカンジェロの歌うフィガロを堪能したいと思います。
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バンクーバーでのリサイタル放送 [Keenlyside]

気づけば年が明けてから一度も更新しないまま1月も後半に…(^_^;)皆様お元気ですか?

1月22日(日)にカナダのCBCのIn Concertという番組の中で、昨年10月にバンクーバーで行われたサイモン・キーンリーサイドのリサイタルの録音が放送されるそうです。少し前にも、カナダのフランス語圏のラジオ局で放送されてオンデマンドになっていましたが、今回も放送後はオンデマンドになる予定とのこと。時差の関係からも、ぜひそうなってもらえるように期待したいと思います。

1月22日(日)11:00~15:00
(タイムゾーン別に5つのストリームがあるようです。日本時間とは大体13~17時間差)
CBC Radio In Concert
Simon Keenlyside, Baritone
Malcolm Martineau, Piano

※リサイタルのプログラム内容はこちらから。



あ、それからサイドバーには載せていますが、2010年にキーンリーサイドが主演したROHのマクベス公演のDVDが2月1日にようやく発売になります!実際に舞台を見に行きましたし、発売されるのが分かっていた作品だけに待ち遠しかったですね~。しかしこのジャケット、血まみれすぎませんか?(^_^;)
まだ日本のアマゾンにはページが無いようですが、画像から発売元OpusArteのページにリンクしています。もっと安く購入できるアマゾンのUKサイトはこちら
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椿姫で年越し [オペラ(音源・映像・その他)]

今年もいよいよ残りわずかになってきました。ロンドン時間の31日18:00から、ROHの「椿姫」の録音が放送されます。日本時間では、1日午前3:00からの放送ですが、放送後は1週間オンデマンドになるはずです。
[1月3日追記]1月7日まで、こちらからオンデマンドで聞けます。

12月31日(土)18:00-20:40 (日本時間1月1日(日)3:00-5:40)
BBC Radio 3 Opera on 3 "Verdi's La Traviata"

Violetta Valéry.....Ailyn Pérez
Alfredo Germont.....Piotr Beczala
Giorgio Germont.....Simon Keenlyside
Baron Douphol.....Eddie Wade
Doctor Grenvil.....Christophoros Stamboglis
Flora Bervoix.....Hanna Hipp
Marquis D'Obigny.....Daniel Grice
Gastone de Letorières.....Ji Hyun Kim
Annina.....Gaynor Keeble

Conductor.....Patrick Lange
The Orchestra and Chorus of the Royal Opera House

それでは皆様、良いお年をお迎えください!
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ROHの「椿姫」は賛否両論 [Keenlyside]


1年前の来日公演を思い出しますね(^^)Flickrのアルバムにリンクしています。


ROHが今シーズン、多様な歌手の組み合わせで20回以上も上演する「椿姫(La Traviata)」ですが、2組目のキャストでの上演が始まっています。個人的には、この組み合わせが一番バランスが取れていると思うので、初日ではないですがどこかで批評が出ないかな~とネット上を探してみました。数は少ないのですがなかなか面白いことに、正に賛否両論となっています。12月31日にBBC Radio 3で放送されるので、ここまで評価の割れた音源を聞くのが楽しみになってきました。

◇Simonkeenlyside.info
まずはお約束?のSimonkeenlyside.infoの公演ページを。いくつかの批評と舞台写真がアップされています。

◆Seen and Heard International: Covent Garden’s La traviata is Even More Impressive With a New Cast and Conductor
「コヴェント・ガーデンの椿姫は新しい歌手と指揮者で更に素晴らしい公演となった」というタイトルの通り、大絶賛の好評です。キーンリーサイドのパパ・ジェルモンは高音も楽に出るし性格付けも深みがあって素晴らしい、ペレスも音階の移動が気になる部分はあったけれど声のコントロールは素晴らしく、特に最後の幕は特筆に値する、ベチャーラも自然なフレージングでアルフレートを好演、と大満足だったようです。

◆Intermezzo: La Traviata Round 2
Intermezzoさんの人気ブログ上にも記事がアップされています。今回の再演演出家の指示はイマイチ、キーンリーサイドは若すぎて違和感がある、ペレスは悪くないけれど息が続かないのが気になる、ベチャーラはペレスのおじさんみたい、などなど、どうやらあまり好みではなかったようで辛口の批評になっていますが、舞台写真やカーテンコールの写真は満載です。


★ラジオ放送予定★
12月31日(土)18:00~
BBC Radio 3 Opera on 3
VERDI: LA TRAVIATA
Ailyn Pérez (Violetta), Piotr Beczala (Alfredo) Simon Keenlyside (Giorgio) with the orchestra and chorus of the Royal Opera, Covent Garden conducted by Patrick Lange


◇11月28日のカーテンコールビデオ

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Classik Talkインタビュー [Keenlyside]

BingとDenisという2人組のおじさんクラシック音楽業界にいる人物にインタビューするClassik TalkというYou Tube上の番組に、サイモン・キーンリーサイドがゲスト出演しました。今年10月のNYでの「戦争レクイエム」公演の際に撮影されたようですが、46分もある割には非常~にリラックスした雰囲気の、気楽に視聴できるインタビューになっています。でも、やっぱり目が行ってしまったのはあちこちで着まわしているこのベスト…「また」着てますね(^_^;)

内容は、Simonkeenlyside.infoのBiographyページにすでに書いてあるようなものですが、おじさん3人が忌憚なく語っている様子はなかなか楽しいです。キーンリーサイドは15歳を過ぎるまで声変わりしなかった、なんていう小話もありますが、メインの話題は音楽・オペラ・演技の話で盛り上がっています。特にインタビュー後半は、好きなオペラハウス(MET、ROH、ミュンヘン、チューリッヒ、スカラ)、オペラを歌ううえでの演出(舞台セット)の重要性、多様なレパートリーをあれこれ混ぜて歌っていきたい理由、ドン・ジョヴァンニの"Deh Vienni alla finestra"の原本にあった「はちみつ=リンゴ=女性の胸の暗示」説、ジンクスや舞台に関する迷信は信じるか、などなどClassik Talkの名前の通りちょっとマニアックな話題が続いて面白かったです。

【Part 1】


【Part 2】

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CD"Songs of War"プロモーションいろいろ [Keenlyside]

☆BBC Radio 3 CD Review(12月3日放送)
<12月5日追記>無事に、3日の放送で特集されました。リンク先のページから、12月10日までオンデマンドで聞けます。キーンリーサイドのSongs of War特集は、1:52:50辺りから始まります。

Songs of War
11月7日にイギリスで発売された、サイモン・キーンリーサイドの新CD"Songs of War"に関連する記事やインタビューを以下にご紹介します。また、すでにSimonkeenlyside.infoの該当ページ(音源試聴もできます)には多数の批評が紹介されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

★Simonkeenlyside.infoの"Songs of War"ページ
CDの全ての音源の試聴ができます。新聞での批評、インタビューなども順次更新されています。


<11月25日追記>
☆Classic fm Interview: Simon Keenlyside talks about Songs of War
イギリスのクラシック系ラジオ局、Classic fmにゲストで登場しました。リンク先から6分程度の抜粋が聞けます。普段よりもちょっと早口ですが、CDのことだけでなく、現代オペラ、イギリスの合唱隊、クロスオーバーについても真剣に意見を述べています。でも、個人的にはカットされているROHでの「椿姫」の話の方が聞きたかったかも(^^)


☆インディペンデント紙(The Independent) "Requiem for an art form: Why modern composers are fighting a losing battle"
「ある芸術様式へのレクイエム:なぜ現代の作曲家たちは負け戦に挑んでいるのか?」と題された、"Songs of War"の紹介記事です。過去と比べて、現代においてクラシック音楽が社会に与える影響に悲観的な内容の記事ですが、キーンリーサイドのこのCDに対する真摯なコメントが紹介されています。どうやら、CDの売り上げの一部はPTSDを抱えた軍人達のために寄付されるようです。以下に、キーンリーサイドのコメント部分を要約しておきます。
「多くの詩人や兵士達は彼らの目にしたものを書いているわけではない。多くの戦時中の詩は、実際は人生や人生の素晴らしい物事について書いているんだ。」
「我々は永遠に続きそうな戦争の時代に生きているし、そのことについて一オペラ歌手がどうこう言う筋合いはないと思うけれど、ただニュースを見ているだけじゃなくて何か行動したかったから、今後60~70年に渡る障がいをおってしまった若い傷痍軍人を助けるために少しの寄付をしようと思っている。」
「芸術は戦争の本質である無情さに対して強い共感をもつものだと思う。ブリテン、フォーレ、デュルフレ、ヴェルディなどのレクイエムで何か状況が変わるのかと言われれば、変わらないけれど、でもそれによって励まされ、慰められる。それが音楽の役割なのかどうかは分からないけれど、でも音楽にはそういう力があるんだ。」


☆BBC Radio 4 Front Row
BBC Radio 4のFront Rowという芸術系の番組にゲストとして登場し、今このCDを作成した理由などを真面目に語っています。現在のところオンデマンドでいつでも聞けます。リンク先のページ下方にある「CHAPTER 2」からクリックすればキーンリーサイドのインタビューが再生されます。

☆BBC Radio 3 CD Review (11月26日放送予定)→(12月3日放送予定)
この日の番組では"Songs of War"を特集し、全曲紹介する予定だそうです。放送後は1週間オンデマンドですので、実際に放送されたらその時に改めて記事を更新します。<11月27日追記>どうやら放送日が1週間伸びた様子で、12月3日放送予定のプログラムに「リサイタルディスクを特集」と出ています。<12月5日追記>無事に、3日の放送で特集されました。リンク先のページから、12月10日までオンデマンドで聞けます。キーンリーサイドのSongs of War特集は、1:52:50辺りから始まります。
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BBC Radio 3 In Tuneに登場! [Keenlyside]


↑flickrのIn Tuneフォトアルバムにリンクしています

サイモン・キーンリーサイドは新譜が11月7日に発売になるのに加え、11月5日にはロンドンのWigmore Hallでリサイタルを行うということで、BBC Radio 3のIn Tuneという番組にピアニストのマルティノーと一緒にゲストで登場し、リラックスした雰囲気のインタビューに加えてライブで3曲を披露しました。現地の11月9日(水)までオンデマンド音源になっていますので、CDを待ちきれない方はぜひ聞いてみてください。ちなみに、上の写真は前からマルティノー、ラジオパーソナリティーのラファティ、キーンリーサイドです。しかし、おじさん3人で同じピアノ椅子に座って写真撮るって、暑くるしいですねぇ(^_^;)しかも、キーンリーサイドいくつ指輪してるんでしょう?左の親指は(また)怪我したのかしら?

キーンリーサイドとマルティノーは番組冒頭(12分ころ)に登場します。ライブで披露した曲は以下の通りです。個人的には、CDでも楽しみなSea Feverが聞けて嬉しいです♪

★Butterworth — The lads in their hundreds (A Shropshire Lad)
★Ireland — Sea Fever
★Warlock — The night

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新CD"Songs of War"予約受付中です! [Keenlyside]

11月3日追記:日本のamazonでの発売日が11月15日に変更されました。値段も、記事を書いた時から変更されています。

Songs of War
サイモン・キーンリーサイドの新しい歌曲CDである"Songs of War"が、11月7日に発売されます。すでにサイドバーでは告知していましたが、CDジャケット写真が公開されたので、改めて記事にしておきます。前回の「ブラームス歌曲/詩人の恋」のCDでは顔写真を使っていましたが、今回は渋めの兵士の写真になっています。何だか軍歌のCDかと誤解されそうな雰囲気が無きにしも非ずですね…。

実際には、「戦時中に書かれた英語の詩の歌曲を集めたCD」というだけで、特に戦争について語った歌曲を集めたわけではないようです。当然、収録曲は全て英語という非常にマニアックな作品ですが(^^)、比較的有名な曲からマイナーな曲まで複数の作曲家の歌曲を一度に聞けるので英語歌曲に興味のある方にはおすすめです。(そんな人いるかなぁ?^_^;)まだamazonには載っていませんが、Simonkeenlyside.infoによる曲目リストは以下の通りです。全29曲と、相変わらず大盤振る舞いですねぇ。個人的には、アイアランドの「海への情熱(Sea Fever)」とヴォーン=ウィリアムスの「放浪者(The Vagabond)」が楽しみです。それ以外は、バターワースくらいしか聞いたことがないので、真っ白な状態でCDが手元に届くのを楽しみにしたいと思います。

<収録曲>
1. John Ireland: Sea Fever
2. Athur Somervell: Into my heart an air that kills
Ralph Vaughan Williams: “Songs of Travel”
3. Youth and Love (No 4)
4. The Infinite shining heavens (No 6)
George Butterworth: “A Shropshire Lad”
5. Loveliest of Trees
6. When I was one-and-Twenty
7. Look not in my Eyes
8. Think no more, Lad
9. The Lads in their hundreds
10. Is my Team ploughing?
11. Arthur Somervell: There pass the careless people
12. Peter Warlock: The night
13. Arthur Somervell: White in the Moon
George Butterworth: “Brendon Hill and other songs”
14. On Bredon Hill
15. O fair enough are sky and Plain
16. When the Lad for Longing sighs
17. On the idle Hill of Summer
18. With Rue my Heart is laden
19. John Ireland: The Vagabond
20. Anonymous/Ireland: The Three Ravens
21. Finzi: Fear no more the heat o’ the sun
22. Frank Bridge: Thy Hand in mine
Ralph Vaughan Williams: “Songs of Travel”
23. The Vagabond (No 1)
24. Ned Rorem: An Incident
Ivor Gurney:
25. When Death to either Shall come
26. In Flanders
27. Arthur Somervell: The Street sounds to the Soldiers’ Tread
Kurt Weill:
28. Beat!Beat!Drums!
29. Dirge for two Veterans

現在、日本のamazonページで予約購入が可能で、値段は1600円ちょっと。当然イギリスのamazonでも購入可能ですが、送料や商品が届くまでの時間を考えると、日本に住んでいるなら日本のamazonを使うのが便利そうです。

☆追記☆11月3日現在、日本のamazonでは2570円。値上がりしていますし、発売日も11月15日になっています。こうなると、イギリスのamazonを使った方が、11月7日発売で1週間ほどで届く上に送料込みで1500円弱なので断然お得になってしまいました。


Songs of War

Songs of War



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サンフランシスコのリサイタルに向けてのインタビュー&BBC Radio 4: Tales from the Stave [Keenlyside]

今月末にアメリカのサンフランシスコでサイモン・キーンリーサイドのリサイタルが行われますが、それに先立ってSan Francisco Classical Voiceのページにインタビューが載りました。かなりカジュアルな雰囲気のインタビューで、内容もヨセミテ国立公園には何度も行っているとか、小さい子供がいるとなかなか大自然の中に冒険に行けなくてストレスがたまるとか、最近は奥さんの仕事の都合もあってなかなか帰れないウェールズにある農場に、高価だけど美しい日本の楓を植えた話とか、リサイタルとは直接関係のない話が満載です(^^)

もちろん、今回の英語歌曲のプログラムのことと、ピアノ伴奏のマルティノーとの25年に渡る関係についても語っています。また、オペラやクラシック音楽が若者の間に広まっていると思うか、という質問に対しては、レコーディング技術の進歩で素晴らしい録音の数々が入手可能だし、ジュリアード音楽院や世界中に才能豊かな若手音楽家が大勢いる、と言いながらも、デビュー当時も今も客席を見れば白髪の海(^^)なので、魅力を感じるまでに時間を要する芸術もあるし、それを支えるのに十分なだけのファンがいてくれればいいんだ、と現実的な回答をしています。

◆Baritone Simon Keenlyside: Force of Nature




それから、キーンリーサイドは10月18日に放送されたBBC Radio 4のTales of the Staveという番組にゲスト出演しました。この番組は、有名な作品の自筆楽譜をプレゼンターの推理小説作家フランシス・ファイフィールドと専門家たちが見ながら作品の背景などについて討論する、という非常にマニアックな内容なのですが、このシーズンの第1回目の放送で取り上げたのはモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」でした。そこで、ドン・ジョヴァンニ役として定評のあるキーンリーサイドもゲストに招かれたということのようです。30分の番組ですが、最初から最後までオタクな話題で盛り上がっています。Radio4のウェブページ上でオンデマンドで聴けますので、「ドン・ジョヴァンニ」好きな方は下のリンク先からぜひ聞いてみてください。

序曲はオープニングナイトの前夜に徹夜で書かれたので筆跡が非常に荒いとか、紙の上にコーヒーカップの跡のようなしみ(多分インク壺)があるとか、カタログアリアの最後の繰り返し部分は書き直されているとか、楽譜の途中で紙の質が変わっているとか、「ドン・ジョヴァンニ」好きなら一聴の価値のある面白い内容です。特に、もともと作曲された音と実際に上演された(されている)音に違いがある箇所や、速度指定やもともとの歌詞など自筆譜でしか分からない部分で盛り上がる専門家たちの話を聞いているだけで、オペラへの理解がより深まったように思えます。例えば、ジョヴァンニの最期の場面の「いやだ」の2つの音は序曲の冒頭の2つの和音と同じとか、気にしたことがなかったので面白い指摘でした。

他にも、おそらくエピローグがカットされたウィーン版のために、ジョヴァンニが「アー!」と最期の叫び声をあげる前にドンナ・アンナ、ドンナ・エルヴィーラ、ドン・オッターヴィオが「アー!」と叫ぶように作曲されていたのに、後から削除されているというのも面白いです。専門家たちも指摘していますが、ただこの1音を歌うためだけにこの3人が舞台上に登場する様子を想像するとちょっと笑ってしまいます。番組の最後は、キーンリーサイドが「触れることができるだけで嬉しいし、名誉なことだ」という楽譜の上に左手(利き手)を載せて「こんなの馬鹿らしいと思われるかもしれないし、こうして触れるだけじゃ何も変わらないと思うだろうけど、でも変わるのさ」と言って終わります。こういう、専門家たちの愛のあふれる討論は聞いていてこちらまで楽しくなってきますね。(日本の伝統芸能なんかも、こういう番組を作って紹介できればいいんじゃないでしょうか。)

◆Tales from the Stave: Series 7 Episode 1 "Don Giovanni"
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パリのペレアスラジオ放送とDVD「ドン・カルロ」Gramophone Awards 2011受賞 [Keenlyside]

10月10日追記:Gramophone Awards 2011の授賞式の動画がアップされましたので、記事に追加しました。

サイドバーには既にアップしていますが、本日BBC Radio 3にて、サイモン・キーンリーサイドがペレアスを歌った「ペレアスとメリザンド」が放送されます。こちらは、今年5月のパリ、シャンゼリゼ劇場での公演を収録したもので、France Musiqueではとっくに放送済みです。ラングレの指揮するオケも素晴らしく、キーンリーサイドのペレアスにデセイのメリザンドとナウリのゴローと、歌手も揃った好演です。放送後は1週間オンデマンドになりますので、3連休中にのんびり聞いてみるのもいいかと思います。

10月8日(土) 18:00-21:40 (日本時間9日午前2:00-5:40)
BBC Radio 3 Opera on 3 "Pelleas et Melisande"

Melisande ..... Natalie Dessay
Pelleas ..... Simon Keenlyside
Genevieve ..... Marie-Nicole Lemieux
Golaud ..... Laurent Naouri
Arkel ..... Alain Vernhes
Yniold.....Khatouna Gardelia
The Doctor ..... Nahuel di Pierro

The Paris Orchestra and Chorus
Conductor .... Louis Langree




キーンリーサイドによる授賞のコメント(2:10)


そして、ROHの「ドン・カルロ」のDVDが、グラモフォン・アワード2011(Gramophone Awards 2011)のDVDパフォーマンス部門で受賞しました。どうやら授賞式には代表でキーンリーサイドが登場し、トロフィーを受け取ったようです。おめでとうございます~!個人的には、演出に少々物足りない部分があったり、女声陣がイマイチだと感じたりするのですが、全体的には充実した公演になっていると思います。ROHのホームページにも、受賞を告知する記事がアップされています。



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